2022.05.19 家電量販店大手5社の2022年3月期連結決算コロナ特需の反動などで4社が減収

買い替え需要は堅調ながら、21年度業績は各社とも減収を余儀なくされた

 上場する家電量販店大手5社の2022年3月期(21年4月~22年3月)連結決算は、前の期にあったコロナ特需の反動に加え、休業要請や夏の天候不順などが響き、4社が減収。新型コロナや原材料の高騰など市場に不透明感はあるものの、変化する需要に応える商品提供やEC(電子商取引)などの強化で、今期は各社ともに増収・営業増益を計画する。
最大手ヤマダホールディングスは減収減益だったが、そうした中でも事業をけん引したのは大型新業態店「ライフセレクト」。21年度に既存店から改装した15店の平均で、客数は1割、売り上げは2割、粗利は3割増えた。

 山田昇会長兼社長CEOは「家電という飽和状態の中から、暮らし丸ごとのコンセプトを持って新しい提案ができる業態だ」と自信を見せる。今期は、国内に約1000店ある店舗網を活用し、EC事業の強化を進める。EC事業は21年度に売り上げ1400億円を突破した。

 ケーズホールディングスは減収減益だったが、当期純利益以外は計画を上回る着地。今期は、空白地帯への出店を継続。24年3月期で8100億円の売り上げを目標に据える。

 エディオンも店舗休業やエアコンの不振などが業績を押し下げたが、リフォーム事業が拡大。21年度で売り上げは572億円となった。26年3月期には売り上げ8100億円を目指している。

 5社の中で唯一増収だったノジマは、21年6月のスルガ銀行持分法適用除外などによる投資損益控除後の当期純利益が5期連続で最高益を記録。今期は不透明な市場環境を加味し、「今まで一つだった物流センターを新設した。商品の確保を加速させていく」(野島廣司社長)とする。

 上新電機は、緊急事態宣言下での最大100店舗の休業が響き減収減益。一方、EC事業は好調で約759億円の売り上げ。ただ、経済情勢の不透明感などから、今期を最終年度とする中期経営計画は下方修正している。
(20日付電波新聞・電波新聞デジタルで詳報します)