2022.05.24 Jパワー、豪州で風力発電開発現地企業と共同で 最大20万kW

プロジェクトのイメージ。太陽光発電所の奥にある丘陵地に風車が並ぶ

 電源開発(Jパワー)は16日、豪州の再生可能エネルギー事業者ジェネックス社と、豪州北東部のクイーンズランド州で陸上風力発電プロジェクトの共同開発を進めると発表した。Jパワーはジェネックス社に出資しているが、豪州で再エネ開発のノウハウを得るため、直接的な開発に乗り出す。出力は最大20万kWを計画し、2025年の運転開始を予定する。

 両社は20年11月に覚書を締結し、風況調査などを実施してきた。良好な結果が得られたことから、建設に向けて調査や風車選定などを進める。

 建設予定地は、既にジェネックス社が運転を開始している太陽光発電所「キッドストン・ステージ1」(出力5万kW)にほど近い丘陵地で、ここに風車に並べる計画。23年に着工し、出力は15万~20万kWを想定する。

 Jパワーは21年5月、主に太陽光や水力を手掛けるジェネックス社の株式7・7%の取得を完了している。だが、「より直接的に事業に関与し、運営や技術、一連の手続きなどのノウハウを取得する」(Jパワー)目的で、初めて豪州で直接、開発を手掛けることにした。このプロジェクトを足がかりにして今後、「再エネ資源が豊富な豪州で、より開発に踏み込んでいく」(同社)方針だ。

 Jパワーは海外ではタイや中国、フィリピン、英国などでバイオマスや太陽光、風力、水力に投資。稼働中の再エネで出力合計約303万kW(持ち分約78万kW)に参画している。

 国内でも水力で60カ所、計約856万kW(持ち分出力)、風力で21カ所、計約50万kW(同)の設備を稼働させている。同社によると、水力は東京電力グループ、風力はユーラスエナジーグループに次ぐ規模の大きさだという。