2022.05.25 【次世代自動車用部品・材料特集】KOA金属板シャント抵抗器など揃える

「HSG-73P」

 KOAは、次世代自動車に向け、高機能・高性能の各種受動部品を提供する。

 モーターやバッテリー、DC-DCコンバーター回路の電流検出用抵抗器は、寄生インダクタンスの小さいシンプルな構造の金属板シャント抵抗器、TLRシリーズをラインアップ。2022年3月に3216サイズの低抵抗領域0.5~4ミリΩで定格電力3Wを実現した。

 同社独自の材料・構造により、3216サイズで低抵抗領域ながら優れた抵抗温度係数TCRプラスマイナス50~プラスマイナス75×10-6/Kを達成。高電力と高精度で、信頼性の高い電流検出が可能となる。

 金属板チップ形の電流ジャンパーは、xEV回路基板内パワートレインの大電流、低抵抗、高熱容量化対応のTLRZシリーズを1005~3216サイズでそろえ、最大50Aの定格電流。樹脂封止構造で、高いヒートサイクル性のSLZもそろう。

 高精度抵抗器は、従来困難とされた抵抗値許容差プラスマイナス0.1%、抵抗温度係数プラスマイナス25×10-6/Kの高信頼性厚膜チップ抵抗器RS73シリーズを製品化。薄膜抵抗器と同等レベルの優れた長期安定性を有し、1005~3216サイズで10Ω~10メガΩの幅広い抵抗値範囲。

 インバーター回路は容量負荷や誘導負荷が多数存在する。こうした用途にはサージ・パルス負荷への耐性を高めたチップ抵抗器SG73シリーズを推奨。ESD限界電圧保証のSG73S、パルス限界電力保証のSG73Pに加え、耐パルスで高精度抵抗温度係数プラスマイナス50×10-6/K、抵抗値許容差プラスマイナス0.25%のSG73Gをリリースした。

 機電一体化など熱環境の厳しい車載ユニット用は、最高使用温度175度で定格電力の10%まで印加可能、マイナス50度/プラス175度のヒートサイクル試験を1000サイクル保証の高耐熱、耐ヒートサイクル性に優れたHSG73P-ATシリーズをラインアップ。

 過酷な温度変化環境での機器の信頼性向上に貢献する。