2022.06.08 「電線アンバサダー」女優・石山さんに期待電線アクセサリーも披露

電線工業会アンバサダーの石山蓮華さん(左)と伊藤雅彦会長

電線のアクセサリー(同工業会提供)電線のアクセサリー(同工業会提供)

 電気を伝える電線、データ通信を支える光ケーブル。これらを手掛ける各社でつくる日本電線工業会が、アンバサダーを起用しての情報発信を進めている。登板したのは俳優・石山蓮華さん。自他共に認める「電線愛好家」で、その思いが高じて同会の活動にかねて協力。今回、アンバサダーとして、アピールに一役買うことになった。

 石山さんは1992年生まれ。文筆家・俳優として多方面で活躍する。趣味は電線の撮影とや短歌。同工業会の会員各社のほか、データセンターなどさまざまな現場の取材にも熱心に足を運んでおり、電線、ケーブルの大事さや、モノづくりの魅力なども併せて発信していきたいという。

 脱炭素の動きの中で、再生エネルギーなどニーズが高まっている電線や、GAFAも手掛ける海底ケーブルなど、業界は追い風を受けている。一方で、人材不足は各産業と同様に深刻で、経営にも影響している。それだけに、アンバサダーには「さまざまな世代に業界の魅力を感じてもらえたら」という狙いもあるようだ。

 ちなみに、今回の任命に当たっては、特注の「電線ペンダント」も寄贈された。会員企業が手掛ける巻線を平面加工したコイルを使い、アクセサリー作家の加藤哲也氏が制作した。

 電線の導体は、抵抗を小さくするため純度の高い金属が使われる。通常は絶縁体に覆われており、導体を目にする機会はあまりないが、「純度の高い金属で作られる電線の導体は美しく輝いており、それを生かしました」(同工業会)。ただ、残念ながら、「一点ものなので、商品としての量産や展示は考えていません」(同)。

 お堅いと思われがちな業界。これまでも「電線の日」を定めるなどユニークな取り組みをしてきた。「地味な黒子のような産業ですが、ITや環境など社会を支えていることを、もっと知っていただけたら」(同)。アンバサダーの石山さんから、ソフトでキラリ輝く発信につながることを関係者は期待する。
(9日付の電波新聞・電波新聞デジタルに関係記事を掲載予定)