2022.06.30 クラボウ基板検査、照明角度切り替えて欠陥見逃し防止

クラボウの基板検査装置「1100V」は省スペースが特長

 基板上に傷や断線、パターン異常などの欠陥がないか調べる外観検査装置。カメラなどの光学系とソフトウエアの画像処理技術が検出性能の決め手となる。

 クラボウの「BBMaster」シリーズの特長は照明を切り替えながら撮影する独自の「高速スイッチングシステム」だ。

 カメラが1秒間に4万回高速でシャッターを切る間に照明の角度を変えながら撮影する。さまざまな角度で基板に照明を当てることで欠陥を高精度に検出できる。

 撮影した画像を基に、検出精度向上のため高度画像処理を行い、欠陥検出別の画像を組み立て直して検査に使用する。

 1回の撮影で取得できる画像の種類は55パターンにも及ぶ。取り込んだこれら大量の画像の中から、基板の傷や汚れなど欠陥ごとに最適な画像を選んで検査に利用する。

 車載基板やアルミ・セラミック基板、LED基板、スマホなどの検査用途で中国、台湾、韓国のほか、東南アジアで販売実績を重ねている。

 研究開発や量産向けなど用途に合わせた装置群をそろえる。

 「BBMaster7000」は大型基板対応で高速高分解能の最上位機種だ。基板をステージから取り込んで次の基板を投入するまでのタクトタイムは従来機種に比べ2倍に高速化した。中国など海外の大量生産が行われる地域で普及を目指す。

一方、片面手動機「1100V」は小型の省スペースタイプだ。

 三菱電機やデンソー、安川電機、ファナックのロボットと組み合わせた自動化にも対応する。検査結果をAI(人工知能)に学習させれば検査工程の省人化も可能だ。
(1日の電波新聞・電波デジタルで詳報します)