2022.07.01 【家電総合特集】調理家電「ほったらかし家電」が人気、特長的な製品増える

季節感ある調理家電にも期待がかかる

 コロナ禍で変化した生活環境に伴い、調理家電に大きな注目が集まった。多様化するユーザーニーズに応えるため、各家電メーカーはさまざまな製品開発に取り組んだ。

 毎日の自炊を少しでもラクにするため、「ほったらかし家電」が一つのトレンドになった。自動調理鍋もその一つ。材料や調味料を入れてボタンを押すだけで調理できる。炒める、蒸す、煮るなどの基本的な調理から、無水や低温など話題の調理まで種類も豊富。世帯人数や作りたいメニューから合う製品を選ぶことができる。

 日常使いする調理家電は、コーヒーメーカーや炭酸水メーカーも多くの製品が販売されている。味の好みやこだわりが人それぞれある嗜好(しこう)品。味を追求したものや手軽さに特化したものなど、製品の特長が強く出るものも多い。価格帯も幅広く、試しやすいことも人気を後押しした。

 内食を少しでも楽しくするため、ホームパーティーや家飲み人気も高い。ホットプレートは比較的大きな収納スペースが必要となるが、同じメニューもホットプレートを使うことでパーティー感が演出できると注目が集まった。たこ焼きプレートや網など複数あるものだけでなく、現在は、左右で温度差のある別メニューが調理できるものや上下で煮込みと蒸しなど別の調理方法ができるものなど、特徴的な製品が多い。カラーやサイズ展開も豊富で「映えるメニュー」ができると、SNSでの人気を集める。各メーカーは、メニュー提案もすることで売り上げにつなげている。

 健康への関心も高く、ヘルシー調理が可能な製品も根強い人気がある。サラダチキンなどが作れる低温調理器や、野菜や果物を大量に取れるスムージーに最適なミキサー・ジューサー、好きな材料でデザートも手作りできるヨーグルトメーカー、アイスクリームメーカーなど、量販店で専用コーナーが設けられるほど注目されている。

 IoT家電の波は調理家電にも。各家電を操作・管理できる専用アプリを展開するメーカーが増えている。アプリからメニューを選んで送信するだけでオーブンレンジや炊飯器を操作したり、食材の配達サービスと連携させたりと、利便性が広がっている。

 コロナ禍で増えた自炊の機会を、少しでもラクに楽しくするための調理家電が多く生み出された。この先、アフターコロナ・ウィズコロナで外食の頻度が増えることも予想される。それでも、内食を充実させる調理家電需要は続くだろう。