2022.07.04 適応範囲の拡張で拡大富士経済、業務・サービスロボット市場調査

 富士経済は、非接触ニーズや人手不足などの課題解決手段として注目が集まる業務・サービスロボットの世界市場を調査した。

 同調査では、業務・サービスロボット29品目をはじめ、AI(人工知能)/RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)4品目を対象に世界市場を分析し、将来を展望した。2021年の業務・サービスロボット市場は、前年比20.0%増の2兆7410億円となった。

 医療・介護用は、医療従事者が専門業務に専念するため、補助金などの支援があり、紫外線照射ロボットなどの導入が進んだ。また、移動制限や非接触ニーズによって遠隔手術や遠隔診療の必要性も高まり、手術支援ロボットも伸びた。

 家庭用は、生活と生活空間をより豊かにしたいニーズが高まり、家庭用清掃ロボットと家庭用コミュニケーションロボット、スマートスピーカーのいずれも伸長した。今後もさまざまな家事ロボットニーズが生まれてくるとみられる。

 オフィス・店舗用は、オフィス人口の減少による管理業務の縮小や、飲食店の営業制限による設備投資の減少がみられたものの、非接触や感染予防策の観点から、テレプレゼンスロボットやデリバリーロボット(施設内)、配膳ロボットの需要が高まった。

 建設/物流・搬送/レスキュー/インフラ/農業用は、移動制限に伴って短期雇用が難しくなったことによる人手不足や、EC拡大による物流の増加などを受け、デリバリーロボット(屋外用)などが伸びた。

 今後は、医療・介護用や建設、物流・搬送などをはじめとする人手不足への対応や、高機能化、多機能化などにより拡大するとみられる。

 また、掃除以外にもさまざまな家事ロボットニーズが生まれ、普及していくと予想されることから、市場は30年には21年比2.1倍の5兆7628億円が予測される。