2022.07.15 避難所の衛生ストレス解消へ「風の洗濯機」など京都工芸繊維大学の学生が試作品

「風の洗濯機」の試作品

パナソニックの技術活用

 大規模自然災害が頻発する昨今。被災地の避難所では、通常時の衛生習慣がままならない被災者たちが衛生ストレスにさらされている。この問題を解消しようと、京都工芸繊維大学の学生たちが、パナソニックの「ナノイーX」「オゾンウォーター」を活用した「風の洗濯機」や「オゾン水サーバー」などの試作品を完成させた。

 両者とブランドコンサルティング事業などを手掛けるYRK and(大阪市中央区)の3者は2021年7月、産学連携の「避難所の衛生ストレス解決プロジェクト」をスタート。学生たちは、宮城県岩沼市・仙台市や広島県呉市・坂町でのフィールドワーク、パナソニック彦根工場(滋賀県彦根市)での技術ブリーフィングを経て、約1年かけてプロトタイプを完成させた。

 その中の一つ、「風の洗濯機」は、洗濯ができず衣類の臭いが気になるというストレスを解消するもの。衣類を入れたビニール袋にナノイーXの空気を送り込み、臭いを除去できる。

 「オゾン水サーバー」は、多用な水供給に対応した、オゾン水デバイス内蔵の洗浄水生成機。生野菜の洗浄やトイレ清掃での活用を想定している。

 「クリップオン空気浄化機」は、扇風機などに装着するナノイーX発生装置。避難所内の空気を改善する。

 3者は今後もプロジェクトを継続し、試作品をブラッシュアップして実装化を目指す。