2022.07.28 【半導体/エレクトロニクス商社特集】ロチェスターエレクトロニクスEOLビジネス拡大、コロナ禍で年々増加傾向
藤川 代表
ロチェスターエレクトロニクスは、世界の主要半導体メーカーが生産中止した(EOL)製品をオリジナルメーカーに代わって継続的に供給する半導体メーカーおよび代理店。グローバルで70社を超える半導体メーカーとパートナーシップを結び、高い品質の製品供給を行っている。
「半導体不足の状況は続いているものの、以前のようなパニック的な購買は無くなり、落ち着きを取り戻し始めている」と話すのは日本オフィスの藤川博之代表。購買における混乱は解消されつつも、幅広い分野で需要は高く、高水準の受注は続いている。
同社のビジネスの柱であるEOLビジネス、代理店としてサプライヤー製品を取り扱う現行品ビジネスともに好調で、グローバルで売り上げを拡大。コロナ禍においても積極的な投資を行っており、22年上期(1~6月)にはポーランドとメキシコに新たな拠点を開設した。
日本においても昨年開設した大阪セールスオフィスの体制強化を進めるとともに、マーケティング人員の増強、社内オペレーションシステムの強化など投資を継続する。
藤川代表は「この数年、半導体不足の影響もあり新規顧客が増えている。顧客からの問い合わせに迅速に対応できるよう、インサイドセールスの人員も増やした。デジタルマーケティングと既存の拡販手法を融合させ、顧客拡大にもつながっている」と話す。
下期以降、受注調整の動きに注視しつつも、需要は堅調に推移すると同社では見込む。「現行品ビジネスは大きな落ち込みはなく、EOLビジネスが増える」(藤川代表)とし、下期の事業拡大をEOLがけん引する。
EOLはコロナ禍を契機に年々増加傾向にある。半導体メーカーも古い製品の長期継続供給を見直すタイミングを計っており、さまざまな相談が同社に寄せられる。
藤川代表は「顧客もベストな形での出口戦略を模索している。サプライチェーンを維持することがわれわれの使命。顧客の声に耳を傾け、最適なソリューションを一緒に作り上げていきたい」と話す。