2022.07.28 【半導体/エレクトロニクス商社特集】半導体産業拡大、新規分野に注力

拡大する半導体産業

エレクトロニクス商社はソリューション事業を強化しているエレクトロニクス商社はソリューション事業を強化している

 半導体産業が拡大している。EV、5G、AI(人工知能)、IoTなどの普及・利用拡充に伴い、半導体需要が高水準で推移。半導体材料や半導体製造装置の需要も増加を続けている。

 世界の半導体市場は、2021年に5530億ドルとなった。22年は6000億ドルを大きく超え、WSTSは6月に、当初予測を6465億ドルへと上方修正した。

 SEMIによると、半導体製造装置(新品)の市場規模は、過去最高を記録した21年の1025億ドルが、22年には前年比14.7%増の1175億ドルとさらに拡大して過去最高を更新する見通しだ。23年も同2.8%増の1208億ドルと、再び記録を更新する見込みという。

 半導体製造装置の需要拡大とともに、半導体製造プロセスも進化し、最近では半導体後工程と表面実装工程の融合化が注目されている。

 多くの半導体サプライヤーが生産ラインの増強と合わせて設備投資を実施しているほか、半導体製造装置各社も生産を増強しているものの、半導体需要の底上げに追随することは厳しく、崩れた需給バランスを取り戻すにはまだまだ時間がかかりそうな状況だ。一方で米国や中国の半導体工場への巨額の投資から、24年には生産過剰になるのでは、との指摘もある。

 半導体不足はエレクトロニクス商社のビジネスを直撃しており、各商社はサプライヤーとの調達交渉、顧客への納期対応に懸命の努力を続け、中には中国に調達を広げるところもある。

 同時にエレクトロニクス商社は、半導体をベースにしたソリューション事業や新規商材による事業の拡大など、新たなビジネスモデルの構築も進める。EMSやODM事業の拡大や、新規商材としてロボットの販売、さらには植物工場を事業化するなど多彩な取り組みを始めている。