2022.07.28 【ケーブル技術ショー特集】パナソニック コネクト最適なソリューションを提案、放送など4つの未来に焦点

BD対応4K-STB「TZ-BT9000BW」

STBラインアップSTBラインアップ

IP放送対応HE & RF/IP Hybrid-STBIP放送対応HE & RF/IP Hybrid-STB

STB向け番組レコメンドサービスSTB向け番組レコメンドサービス

 パナソニック コネクトは、「Connect to Tomorrow~現場を未来へつなぐ~」をコンセプトに、4K/ACASマイグレーションとその先のIPという「放送の未来」、加入者の維持・拡大と満足度向上につなげる「コミュニケーションの未来」、多彩で魅力的なコミチャンを目指す「コンテンツ拡充の未来」、ローカル5Gなどを活用し、地域事業を発展させる「ネットワークの未来」の四つの未来に焦点をおき、ケーブルテレビ事業者をはじめ、自治体、企業など、さまざまな課題解決に対応する最適なソリューションを提案する。

 放送の未来では、4K/ACASの本格普及に向け、多様な運用へ柔軟に対応できる4K-STBラインアップを紹介。現在、充実のOTTアプリで幅広い活用が可能なエントリー/ベーシック/DVRモデルに加え、ブルーレイディスク(BD)対応モデル「TZ-BT9000BW」(3月発売)がラインアップ。加入者の多様なニーズに応じて最適な機種を提案できる。これらのSTBはHEからの指示で受信設定を容易に変更できることも特長だ。このBD対応モデルは4Kチューナーを3基搭載し、4K番組を同時に3番組の録画が可能。4K放送を4K高画質のままアーカイブできる。同社は「2Kから4Kへの置換えによりBD対応モデルの採用が徐々に増えている。当社の予想よりも2倍を上回る受注・採用が進んでいる」とアピール。

 また、局設備のACASマイグレーションスモールスタートを提案。高度ケーブル自主放送対応HE装置「TZ-MUX750QP」は、高度ケーブル自主放送の簡易番組送出機能に対応するため、ACASを簡単に開始できる。また、ACASの本格サービス開始前に、STBの受信品質の確認や受信設定が行えるため、移行時はスムーズに対応できる。

 さらに放送のIP化への取り組みを強化。放送伝送のRF方式とIP方式の共存など、さまざまなニーズに柔軟に対応する「IP放送対応HE&RF/IP Hybrid-STB」を参考出展。現行のSTBをバージョンアップによりIP放送に対応。RFでの使い勝手はそのままに、スムーズなIP放送への移行が可能になる。ユーザーは特に意識することなく、これまでと同じ操作で利用できる。これに合わせ、将来にはスペース効率と冗長性に優れたIP対応HE機器の発売も予定している。

 コミュニケーションの未来では、STBを活用したサービスを紹介。「視聴状態収集・可視化サービス」をアップデートした形で披露。今回はCATV事業者のさまざまなデータ分析結果を効果的に伝えるダッシュボードを用意。視聴状態収集を使いやすくリニューアルした。

 参考出展として、視聴状態データ活用で加入者満足度を高める「STB向け番組レコメンドサービス」を紹介。CATV多チャンネルの視聴・録画を促進する新たな体験を提供する。同社のデータマネジメントシステムにより、データを自動で収集・分析・可視化を実現。今後はCATV事業者のスマホアプリなどと連携し、よりパーソナライズしたレコメンドに展開していく考えだ。

 STBのアフターサポートも強化。STBの修理進捗状況を可視化できる「修理サービスと修理可視化サービス」を参考出展。今後、ネットワークを活用したリモート診断や故障予知へ展開も検討中だ。

 さらに、STBで簡単にコミュニケーションできる「リアルタイム放送と連動可能な遠隔対面サービス」を参考出展。STBにカメラとマイクを接続しSTB同士やスマートフォンやPCを活用し映像・音声でコミュニケーションが取れる。STBならではの便利さを付け加える形で、こうした新たなサービスがビジネスにつながることが期待される。今後、STBに周辺機器連携機能を追加することでCATV事業者に新たなサービス形態を提案していく。

 コンテンツ拡充の未来では、映像制作ワークフローを変革し、制作現場を革新するIT/IPプラットフォーム「KAIROS」(オンプレミス)や6月からサービスを開始した「KAIROSクラウドサービス」を披露。同社独自開発のCPUやGPUの能力で映像処理を行うアーキテクチャーを備えたライブプラットフォームとして、オンプレミスでは低遅延・高画質な映像制作が可能。クラウドではワークフロー全体をシームレスにつなぎ、いつでもどこでも簡単に映像制作を実現。今後、進化するITエコシステムを活用し、将来への高い柔軟性と拡張性を提供していく。

 また、地域活性化に向けたデジタルサイネージ・CATV網配信連携を提案。デジタルサイネージプラットフォーム「AcroSign(R)」を参考出展。同社が提供するサイネージクラウドサービスにより、初期導入コストを抑えながら、スピーディーに運用可能だ。インターネット環境がなくても、ケーブルテレビの届くところであれば、CATV事業者の独自の放送でサイネージができる新たな活用を提案する。今後、CATV事業者が保有するコンテンツや地域のつながりから新しいサイネージモデルを共創していく。

 ネットワークの未来では、同社の豊富なラインアップ(ローカル5G/BWA/sXGP/Wi-Fi)で顧客の課題を解決するネットワークソリューション「現場マルチネットワークサービス」も参考出展。CATV光閉域網と組み合わせて企業や住民に閉域無線通信サービスを実現する。