2022.08.03 【コネクター総合特集】クラレ耐熱性ポリアミド樹脂「ジェネスタ」、自動車関連などで実績
クラレは、耐熱性ポリアミド樹脂「ジェネスタ」を事業化し、電気・電子分野のコネクター向けや、自動車関連(車載電装/自動車耐熱部品)を中心に実績を拡大している。
ジェネスタ(PA9T)は、同社が世界で初めて工業化したノナンジアミンを使用したポリアミド樹脂(PA9T)。耐熱性、低吸水性、耐薬品性など優れた特長を持つ。特長は①優れた耐熱性(融点306度と高く高温時物性に優れる。はんだ耐熱性270度)②低吸水性。以上により表面実装時のブリスター発生を防ぐ③優れたしゅう動性④優れた成形性など。これらの特性が評価され、年々販売規模を拡大している。
用途別では、車載電装やDDR用などが好調で、特にCASEの進展に伴う車の電子化・電動化加速による車載コネクター需要の増大が、ジェネスタの需要をけん引。EV化で耐高電圧化が求められる中、各種耐熱性ポリアミド樹脂の中でも高く評価されている。
電気・電子用途では、4G/5G基地局用のDDRコネクター向けの販売が増加している。DDR4のSMT化により、ジェネスタの低吸水かつ高強度特性が評価され、採用が増加しているほか、DDR5での需要増も見込まれる。
今後も、車載、高速通信、産業機器などのコネクターのメガトレンドに迅速に対応することで事業拡大を目指す。
ジェネスタ事業では世界10カ国・13拠点に販売や技術サービスの担当者を配置。国内ではCAE解析を行う「つくば研究センター」による顧客との協創を推進。DXを活用したグローバル認知度向上にも注力する。
生産体制拡充では、タイ新工場の建設がほぼ完了し、2022年度4Q(10~12月)以降の商業運転開始を予定する。