2022.08.04 上司と部下の対話をデジタルの力で支援新たな人事サービス市場に熱視線

「1on1」の支援サービスについて説明するKAKEAIの本田英貴社長兼CEO=東京都港区

NTTコミュニケーションズによるサービスの活用イメージ。上司の発話量が多い場合はアラートを出す(提供=同社)NTTコミュニケーションズによるサービスの活用イメージ。上司の発話量が多い場合はアラートを出す(提供=同社)

 上司と部下が1対1で継続的に対話する「1on1(ワン・オン・ワン)ミーティング」を支援する動きが活発化してきた。ICT(情報通信技術)サービス大手から新たな人事サービスが登場。人事とテクノロジーを融合した分野を追求するスタートアップ企業もこの分野で攻勢をかけており、有望な成長市場として注目を集めそうだ。

 1on1ミーティングに臨む上司のスキル向上を人工知能(AI)で後押しするサービス「COTOHA 1on1 Assistant」の提供を今夏に始めたのが、NTTコミュニケーションズだ。

 面談前に両者がどのタイプに当てはまるかを診断するほか、上司が発話する量が部下よりも多い場合にアラート(警報)を出す機能も用意。面談中の両者の表情を分析し、その結果を上司にフィードバックすることもできる。

 一方、上司と部下の「掛け合い」を後押しするクラウドサービスで勢いを見せているスタートアップが、KAKEAI(カケアイ、東京都港区)だ。

 サービスでは、部下が1on1ミーティングの希望日時や話したい内容などを決めてパソコンに入力。例えば、上司が苦手な「今後のキャリア」に関する相談が舞い込むと、世界の管理職からの助言で面談に備えられる。部下の匿名性を担保しながら上司の自律的なスキルアップを促すことも売りだ。

 新型コロナウイルス禍を機にリモートワークが定着する中、従業員同士のコミュニケーション不足による弊害が顕在化。上司と部下との間に信頼関係を築き、個人と組織の自律的な成長につなげる取り組みの重要性が増しているという。
(5日付電波新聞・電波新聞デジタルで詳報します)