2022.08.05 ホンダロック買収 ソニー連合への期待などミネベアミツミ、トップがM&A公表後初めて語る
オンラインで話す貝沼氏
本多通信工業など有力コネクター2社や、ホンダの子会社ホンダロックの子会社化方針を発表したミネベアミツミは5日、決算発表会見を開き、貝沼由久・会長兼社長が一連のM&Aについて、公の場で初めて説明した。ホンダとの関係強化や、その先のホンダ・ソニー連合への期待も示した。また732億円で取得した汐留の元・日本通運本社ビルについて「東京クロステックガーデン」とする計画も語った。
ホンダロックの買収は、ミネベアミツミのユーシン事業強化の一環。アクセス製品事業のシナジー強化や、顧客基盤が異なることによるTier1ビジネスの拡大、ホンダサプライチェーンへの本格参入、米国車への参入強化といった期待を挙げた。
特に大きいのは「ホンダさんとの関係で、Tier1のプラチナチケットを手に入れたこと。ホンダさんは、空飛ぶ車を真剣に目指し、ソニーと車の開発も進めている。そうしたところに入れる可能性がある」と展望した。アクセス製品の分野について、現状の倍増以上に当たる3000億円を目指す。
また、コネクターについて、自社を含む3社単純合算より約3割増の500億円を目指す。
貝沼氏は、これら3件について、2年前後準備してきた案件だとした上で、「コロナで、現場を見に行くといったことがしばらくできなかったが、一挙にディールが進んだ」と、コロナの一段落も見据え、さらなる投資を進める姿勢を示唆した。
貝沼氏の社長就任以来、M&Aに伴う売上高増は約6500億円になる計算という。「VUCAの時代。耐性の本質は一本足ではなく、(同社が主要8分野として掲げる)8本槍だ。その分野を強化していく。競争力を発揮し、『相合(そうごう)』できる分野でM&Aを進める」との考えを強調した。
また、新本社ビルは来春から稼働予定。「クロス」の意味について、「人も技術も『相合』を進める拠点にする。技術者を積極的に獲得していく拠点にする」と意欲を示した。
(9日の電波新聞/電波新聞デジタルで詳報予定です)