2022.08.12 DX巻き返しに意欲、テレワークも加速河野デジタル相が就任会見

就任会見に臨む河野太郎デジタル相=12日、東京都千代田区

 第2次岸田改造内閣でデジタル相に就いた河野太郎氏は12日、東京都千代田区のデジタル庁で就任後初の記者会見に臨み、諸外国から後れを取っている日本のデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速する決意を表明した。中央省庁が集まる東京・霞が関でのテレワークの推進にも意欲を示しており、働き方改革を主導する手腕にも注目が集まりそうだ。

 デジタル政策の司令塔を担うデジタル庁を率いる河野氏は、「国民の生活を便利にすると同時に、温もりのある社会をつくるためのデジタル化を加速したい」と抱負を述べた。お盆休み明けに、前任の牧島かれん氏から引き継ぎを受ける。

 会見では、新型コロナウイルス禍で露呈した日本のDXの遅れにも言及。「個人的な意見」と前置きした上で経済界のデジタル化にも触れ、「海外がビジネスモデルの変換まで踏み込んだDXをやったのに対して、日本はコストダウンや省人化みたいなところで止まったのではないか」との認識を示した。

 続けて、DXの目的や効果を明確にした上で必要なプロセスを発注する能力を高めれば、「身のあるDXになっていくのではないか」とも述べた。

 さらに、「まずデジタル庁が行政のDXをしっかりと進めることで、『デジタル化するとこんなに世の中が変わるんだ』ということを国民の皆さまに実感してもらうのが一番大事だ」と強調。牧島氏が水や肥料を与えて育てたつぼみが花咲くよう、「しっかり引き継いでいきたい」との考えも示した。

 また、テレワークを積極的に進めるNTTやヤフーなどの動向にも触れ、「霞が関も遅れを取ってはいけない」と強調。採用力を高める働き方改革の効果にも注目し、「テレワークがしっかりできるようになれば採用にも影響が出てくる」とも話した。

 岸田文雄首相は内閣を改造した10日の会見で、河野氏の起用理由について「我が国のDXを一気に加速するため、持ち前の実行力、突破力で進めてもらいたい」と説明していた。