2022.08.30 【ソリューションプロバイダー特集】NECフィールディング・鈴木浩社長セキュリティー強化へ新サービス

 前半戦は、GIGAスクール特需を除くと前年並みが維持できた。自治体のネットワーク強靭(きょうじん)化は、今年度がピークと見られ、例年以上に受注の勢いが強い。オンプレミス(自社運用)での構築と、一部クラウドサービスを利用するミックスした商談も増えている。

 力を入れているのがセキュリティー強化だ。コロナ禍でデジタル化が加速したことを背景に、ランサムウエアや標的型攻撃が増えており、多くの相談が寄せられている。8月末には「ゼロトラストソリューション」としてサービス化して販売する。

 マイクロソフトと協力して5月に開催した「ウインドウズ11移行セミナー」には、目標を上回る約750人の参加があった。ネットワーク更新や、セキュリティー対策などを早めに提案していきたい。

 一方、来年3月でPHSサービスが終了するため、病院の院内コミュニケーションツールの切り替えが進んでいる。昨年度からプライベートLTEを使ったローカル通信技術「SXGP」を準備し、PHSの代替手段として提案している。

 カーボンニュートラルに向けて、自家消費型太陽光発電が昨年度に引き続き関心が高い状況だ。工場の屋根や遊休地への設置の相談が多い。蓄電池なども提供しているので、トータルで提案していきたい。

 メーカーや機器を問わず保守サポートするマルチメンテナンスでは、「メンテナンスサービス企業ナンバー1」を目指して事業を拡大している。IT以外の領域でもソフトクリームなどの冷蔵機器の保守対応にも着手した。フロン関連機器の資格取得は、昨年から120人近く増やし約210人になった。

 今年度は2020年度中期経営計画の最終年度。経営基盤改革は確実に実績として出ている。マルチメンテナンス事業を中心とした自主自立事業の拡大に向け、新たな改革推進組織を立ち上げた。今後も「オペレーショナル・エクセレンス(現場業務を改善して競争優位性が高い状態)」の実現に向け、社員一丸で取り組んでいく。