2022.08.30 【ソリューションプロバイダー特集】NECプラットフォームズ・田熊範孝社長工場のセキュリティー対策強化

 半導体を中心とした部品不足による逆風は継続しているが、部品の集め方や売り上げへのつなげ方といったオペレーションが成熟してきた。部材不足がなかった昨年度の第1四半期より良い数字で終われた。

 市場はデマンドが強くなっており、自主事業の飲食のモバイルオーダーや、第5世代移動通信規格5Gネットワークなど複数の商品がバランスよく売れた。特にホームネットワークやATM(現金自動預払機)の組み込みビジネスが好調だ。

 スマートファクトリーでは、セキュア開発を強化している。例えば、人工知能(AI)に悪意を持って何かが仕込まれたら大変なことになる。工場のセキュリティーを万全にして、製品を正しく製造できるようにしなければならない。

 そのため、コンピューターセキュリティーのインシデントに対処するCSIRT(シーサート)のファクトリー版として「FSIRT(エフサート)」の取り組みを進めている。掛川事業所(静岡県)ではラインのセキュリティーを担保するため、工場の入退場の管理から徹底している。今年度は、倉庫・物流セキュリティー対策を強化していく。グローバルワンファクトリーに向けて、工場の付加価値を高めるためにも重要な取り組みだ。

 グループ全体で取り組んでいるのはサプライチェーンの「スマイルカーブ」の底上げだ。当社の現場力を生かしてハードの生産性を高め続けながら、NEC本体のソリューションと結び付いたところで利益が生まれてくると考えている。

 後半戦に向けては、海底ケーブルや5Gなどの強みのある技術の一部をモジュールとして切り出してビジネス化につなげることで自主事業の拡大を目指している。

 スマートファクトリー化を進めながら工場の特色をはっきりとした形で位置付けて、長年培ってきたものづくりのノウハウを付加価値として発信していく。

 NEC本体のソリューションと連携しながら、新たなビジネスを探索する作業を本格的に進めていきたい。