2022.08.30 【ソリューションプロバイダー特集】日立ソリューションズ 山本二雄社長SXの意識づけと浸透に注力
2019年度スタートの中期経営計画の最終だった21年度は、デジタルソリューションや北米を中心とするマイクロソフト関連の事業がけん引して増収増益となり、日立ソリューションズ発足以来の最高益を記録した。
前中計では製造業や流通業へのデジタル化や働き方改革の支援、セキュリティー支援といった成長7事業に重点的に取り組むとともに、米シリコンバレーなどの先進ソリューションを国内にいち早く持ち込んで自社ノウハウと組み合わせて提案する事業を強化し、大きく伸ばすことができた。既に海外先進商材の関連売り上げは21年度で約150億円になった。
社内のデジタルトランスフォーメーション(DX)も進め、「データドリブン経営」ができるようになってきたことも業績に貢献した。経営データの可視化や営業プロセスの改革、デジタルマーケティングの強化などを積極的に行い、顧客に最適なソリューション提案ができるようになった。今後、この取り組みを加速し、新規顧客の拡大と既存顧客の深耕を進めていきたい。
22年度に新中期経営計画をスタートした。グローバルやサービス事業の強化など前中計を踏襲しながら、これまで掲げてきた7重点事業に顧客のデジタル化を支援する「デジタルアクセラレーション」を加えた。併せて、持続可能な社会に貢献する「サステナビリティー・トランスフォーメーション(SX)」を推進していく。
SXには21年度から取り組み始めた。今中計で従業員に意識づけして浸透させたい。EX(従業員体験)の向上を意識し、働き方改革やデジタル人財の確保を行う。新たに社外ベンチャーキャピタルと協力し、若手社員による当社発のユニコーン企業をシリコンバレーで立ち上げるプロジェクトもスタートした。スピード感を持って進めていきたい。
新分野ではスマートデバイスを使い、仮想空間とリアルを融合する「クロスリアリティー」技術を使ったサービスや、女性の健康管理を支援するフェムテックサービスにも取り組んでいく。