2022.09.21 【冷蔵庫特集】新鮮保存、省エネなど機能も進化

内食化が進み、まとめ買いが増える中、大容量化や冷凍・冷蔵技術の進化で鮮度保持性能も向上している

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 冷蔵庫は、コロナ禍で浸透した在宅時間の増加、内食化など新しい生活様式に対応した商品特長の開発が活発だ。冷凍食品などのまとめ買いが増え、大容量タイプに関心が集まるほか、内食化が進み、食材の新鮮保存へのニーズも強まり、鮮度保持性能や冷凍技術も進化する。またIoT機能による食材管理など、使い勝手に優れた機能、特長が充実している。

 冷蔵庫は買い替え需要に支えられ、安定した需要が見込める。2020年度はコロナ禍で、巣ごもり需要が高まり、まとめ買いが増えたこと、特別定額給付金が後押しして、大型冷蔵庫が好調に推移して前年を上回る出荷台数となった。

 日本電機工業会(JEMA)のまとめによると、20年度の需要は前年比1.3%増の392万台となり、このうち401リットル以上の大型冷蔵庫は同4.4%増の180万台と大容量化が進んだ。

 21年度に入ってからは、20年度の反動もあって前年を割り込んでいる。出荷台数は前年比95%の372万5000台にとどまったが、さらに大型化が進んだという。22年度も堅調な推移をみせており、直近の7月単月では前年同月比3.4%増、401リットル以上は同7.6%増になった。

 冷蔵庫の買い替えサイクルは10年程度とされ、10年度にはエコポイント特需があったことから、当時購入された冷蔵庫の買い替えサイクルを迎えているため、これらの需要が安定的に顕在化していくとみられる。

 冷蔵庫は、大容量化が進むとともに、鮮度保持性能の進化や省エネ性能の追求、IoT化による使い勝手の向上など、より商品の利便性が高まっている。

 コロナ禍になって、買い物に行く回数が増えた人は多く、家事負担においても買い物に加え、内食化の進展で炊事に関する負荷が増えたという人も多い。

 このため冷蔵庫を使う頻度が増え、収納する食材や調味料も増えていることから、おいしさ志向や調理の効率化につながる機能も重要視されるようになっている。

 例えば、急速冷凍技術による新鮮保存で、食材のおいしさをより長持ちさせるほか、微凍結で解凍の手間をかけない新鮮保存など、機能開発が活発だ。

 またIoT技術を使って、食材の管理ができる冷蔵庫も登場。これによって買い忘れはもとより、食品ロス削減にもつなげるなど、環境配慮の視点まで広げた商品特長にもつながる。

 24時間稼働する冷蔵庫にとって省エネ性も大きなポイントだが、IoT機能の搭載は省エネ性にも貢献する。

 スマートフォンアプリで冷蔵庫の消費電力の見える化はもとより、センサーと連動して生活リズムに合わせ自動で最適運転するなど、多彩な省エネ機能が開発されている。

 このほか、設置性(大容量コンパクト)、インテリアに映えるデザイン性など、多様なニーズに応える商品戦略にメーカー各社は力を入れている。

パナソニックの主力製品IoT対応NR-F658WPX/F608WPX

急速冷凍機能でおいしさ保つ

「はやうま冷凍」を搭載したIoT対応冷蔵庫NR-F608WPX

 パナソニックは、「はやうま冷凍」を搭載した最上位モデルのIoT対応冷蔵庫NR-F658WPX(650リットル)/F608WPX(600リットル)の提案で、豊かな食生活の実現をサポートしている。

 はやうま冷凍は、最大氷結晶生成帯を30分以内に通過し、素早く冷凍できる業務用レベルの急速冷凍機能で、通常冷凍に比べ、肉や魚の解凍後のドリップを抑え、ジューシーでやわらかさを保った冷凍保存ができる。

 肉や魚を冷凍すると、食感の悪化やドリップの流出によるうまみの減少が起こる。はやうま冷凍は、大風量の「集中シャワー冷却」とアルミプレートにより、解凍時のうまみ成分の流出を抑え、食品の食感、水分、香り、色み、栄養素の保持に加え、おいしい冷凍保存を実現する。

 2001年から20年以上にわたって進めてきた同志社女子大学との共同研究により、通常冷凍に比べ、肉や魚の解凍後のドリップを抑えることを科学的に実証している。

 ■「クイック冷凍ボタン」搭載

 WPXタイプでは、はやうま冷凍の設定を、より効率よく便利に操作できる「クイック操作ボタン」を、冷蔵室ドアの下側に搭載する。

 食材をクーリングアシストルームへ入れた後、従来のように冷蔵室内のパネル操作をするためにドアを開け閉めする必要なく、調理中でも簡単に設定できる。

 弁当の粗熱取りなど、クーリングアシストルームを使った冷やす調理もより便利に使える。

 さらに冷蔵庫の「Cool Pantry」アプリで、よく使うモードの設定時間を自分仕様にカスタマイズし、より便利に使うことができる。

 ■「Panasonic Care」に対応

 WPXタイプは、IoT対応家電のメンテナンスや修理が便利になるサービス「Panasonic Care(パナソニック ケア)」に対応する。

 1台1台の使用状況に応じて、自動製氷機能の浄水フィルターを手入れのタイミングで届ける。自動製氷機能の浄水フィルターは約3年を目安として交換を推奨している。

 さらに、修理保証付きのプランでは、購入から最大で5年間、万が一の故障時に追加料金なしで修理対応を行う。

 このほか、給水タンクの水不足や、はやうま冷凍などの動作状況を、スピーカー搭載家電(テレビ、ポータルテレビ、ロボット掃除機)から音声で知らせる「音声プッシュサービス」や、食品の残量管理で無駄のない買い物をサポートする「ストックマネージャー」も搭載する。