2022.09.26 【九州・山口産業特集】九州・山口で活躍する企業・団体の事業戦略  エコファクトリー

村上 社長

屋内設置仕様のエコウィンエアー屋内設置仕様のエコウィンエアー

「エコウィンエアー」、屋内設置仕様を提供

低コストで大容量換気

 エコファクトリー(熊本市中央区、村上尊由社長)は、低コストで大容量換気ができる外気処理システム「ecowin(エコウィン)エアー」の屋内設置仕様を提供している。

 高耐久・高性能の熱交換器を内蔵しているので、エアコンの冷媒配管に接続することで外気の加温・冷却を行い、夏は涼しく、冬は暖かく温度調節された外気を室内に供給できる。

 換気量は最大で毎時1700立方メートル。コロナ禍で換気の必要性が高まる中、窓を開けずに新鮮な空気を取り込めるため、体育館や医療機関などの大規模施設に適している。

 「エコロジーをデザインする」。昨年11月に就任した村上社長は、そのような理念を掲げる。

 1996年に設計事務所として創業した同社は、2000年代前半から、人と環境に優しい輻射(ふくしゃ)式冷暖房装置「エコウィン」を開発・実用化し、主力製品として販売してきた。

 熱移動の原則を生かしたもので、冷暖房エネルギーの大幅な削減を実現した。遠赤外線効果で体感に直接作用するため、エアコンと比べて冷房時には2度ほど涼しく、暖房時には4度ほど暖かく感じられる。温度ムラも少なく、局所冷暖房もできるため、人がいるところを効果的に空調できる。

 こうした省エネ性の高さが評価され、13年の熊本県宇土市を皮切りに、全国約30の自治体の体育館のアリーナへの導入が進んでいる。必要な部分のみを空調できるため、同市では光熱費を大幅に削減。風や音がなく、スポーツにも影響しないと好評だ。

 エコウィンとエアコンを連動させる独自技術による「エコウィンハイブリッド」も展開していて、より効率的な空調を実現すると注目されている。

 今後はエコウィンに加え、建築部門である「エコウィンスタイル」事業にも力を入れる。木材を活用した新たな工法の事業化も目指しており、脱炭素社会の実現に向けた取り組みも進める。

 村上社長は「時代は変化するが当社のミッションは揺るがない。製品を通じて地球環境保全やお客さまの幸福に貢献したい」と力を込めた。