2022.09.28 【関西エレクトロニクス産業特集】大阪・関西万博 関西発の新技術など創出に期待 経済成長の原動力に

大阪・関西万博の開催への期待が高まる(写真提供:2025年日本国際博覧会協会)

 「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマとした2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博/会期=2025年4月13日~10月13日)は、予想される来場者数は2820万人で、経済波及効果は2兆円が見込まれているビッグイベントだ。

 新型コロナウイルス感染症の拡大がもたらした傷跡は大きいが、こういう時代に原点としての「いのち」に立ち戻り、輝ける未来、持続する未来を模索する場を提供する価値は大きいといえる。

 大阪・関西万博のコンセプトは「People's Living Lab(未来社会の実験場)」で、IoTや人工知能(AI)、ロボティクス、ビッグデータなどの先端技術を活用した〝超スマート会場〟の中から、新しい技術やサービス・ソリューションが生み出されることで、国の成長戦略であるSociety5.0の実現に貢献する。

 また、いのち輝く未来社会のデザインというテーマで、長期的に未来社会を考えることは、30年のSDGs達成や、その先(SDGs+beyond)に向けた姿を示す機会になる。

 さらに、万博会場におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)による社会変革の新たな形や、地球環境問題への新たな挑戦の形を世界に示すことで、経済・社会、また文化など幅広い面で関西、ついては日本のさらなる飛躍につながることが期待される。

 加えて、万博開催に向けて、港湾、鉄道、道路など関連インフラ整備にも大きな投資が行われ、直接的な関西経済の成長原動力としての期待も大きい。

 もともと関西は、環境・ライフサイエンス・ものづくり企業をはじめ大学・研究施設などの集積が進んでおり、Society5.0につながる高度な技術力で日本をけん引する地域だ。

 万博開催が刺激を与え、時代の飛躍につながる関西発の新しい技術とサービス創出にも強い期待がかかる。

 大阪・関西万博では、万博の目的であるテーマの実現に向けて未来社会の実験場というコンセプトの下、「世界との共創」「テーマ実践」「未来社会ショーケース」の三つを実施する。

 世界各国の公式参加者(参加国や国際機関)がSDGs達成の未来社会を描くほか、テーマ実践では、企業やNGO/NPOなど、行政と共同で、テーマが実現された未来社会の姿を会場内に創り出す。

 未来社会ショーケースでは、万博会場を未来社会のショーケースに見立て、先端技術やシステムを採り入れ、多彩な企業や大学、公的機関などとの共創を通じ、「Society5.0実現型会場」を創造する。

 テーマ実践事業では、13企業・団体による民間パビリオン出展が行われ、未来社会を感じさせる個性的な提案が行われる。

 民間パビリオンに参加する一社、パナソニックでは、〝解き放て。こころと からだと じぶんと せかい。〟をコンセプトに、パビリオンの名称を「ノモの国」と決めた。

 アルファ世代の子どもたちに、ワクワクする楽しい体験を通し、一人一人に秘められた可能性や天分に自ら気付いてもらい、未来への希望を抱いてもらえる空間づくりを行う予定だ。