2022.09.29 【電子部品メーカー・商社ASEAN特集】コアスタッフ(タイランド)(コアスタッフ) 余剰在庫の委託販売を新たに開始
河原田 社長
コアスタッフは、Web販売と従来型の営業を組み合わせたハイブリッド営業を強みとする電子部品商社。タイ現地法人「コアスタッフ(タイランド)」の体制を強化し、ASEAN地域でのビジネス拡大に取り組む。
同現地法人は2019年2月に香港現地法人の駐在所として設立。21年7月に現地法人化し、ASEAN全域とインドを含む南アジアでの事業拡大に取り組んできた。さらなる成長に向け、10月からは新オフィスへの移転を予定しており、人員体制も強化する。
年内には新たなサービスとして、半導体や電子部品の余剰在庫の委託販売を開始予定。移転先は現状より大きな物流倉庫を備えたオフィスで、日本で提供している余剰在庫削減サービスをASEAN域内でも提供する。近くには将来の物量増を見込み、外部倉庫も合わせて確保する計画もある。
同現地法人の河原田勝代表取締役社長は「余剰在庫の委託販売は以前からニーズが高い。今夏、バンコクで開催された展示会で紹介したところ、反響も大きかった」と期待する。
タイは量産工場が多く、生産で使用する電子部品の多くを輸入している。その際、タイ投資委員会(BOI)の優遇制度を利用しているケースも多く、BOIへの申請はじめ、余剰在庫の償却に苦労している企業は多い。「この数年は半導体不足の影響もあり、予想以上の在庫を抱えてしまう企業も増えた」(河原田社長)とし、新サービスにより余剰在庫削減に貢献する。
余剰在庫の委託販売に加え、模造品対策の真贋(しんがん)判定サービスも手掛ける計画。同サービスは来年以降に提供を開始する予定で、蛍光X線分析装置や外観検査装置を同現地法人内に設置する準備を進めている。これまで検査を求める顧客に対しては一度日本に送り、検査していた。今後は現地で検査も行えるため、迅速な出荷が可能となる。模造品の流通は依然として多く、真贋判定のニーズも見込まれる。
今後、同現地法人では、中国からの生産シフトがさらに増えると見込み、ASEAN地域でのビジネス拡大に取り組む。河原田社長は「これまで取り組んできたスポットでの緊急調達に対応するとともに、余剰在庫販売を新たな成長のステップとしたい。顧客から何でも相談してもらえる存在になり、それに応えることでより良い関係を構築する」と話す。