2022.10.12 【日本ロボット工業会創立50周年特集】安川電機のロボット事業 常に先端産業の発展支える 新ソリューションコンセプトで新たな価値提供
小笠原 会長兼社長
安川電機は1915年の創立以来、「電動機(モーター)とその応用」を事業領域に定め、その製品・技術により常に時代の先端産業の発展を支えている。
同社は現在は「モーションコントロール」「ロボット」「システムエンジニアリング」の三つの主力セグメントによる事業活動を通じて、世界最高水準の技術力による製品やサービスを世界市場に提供している。
同社のロボット事業は、77年に日本で初めて全電気式の産業用ロボットを「MOTOMAN(モートマン)」のブランドで販売を開始してから電気・電子機器、半導体製造、自動車、バイオ、食品、医療品、物流など世界の幅広い産業に50万台強を出荷している。
安川グループでは2017年からソリューションコンセプト「アイキューブ メカトロニクス(i3-Mechatronics)」を提唱、実践し、ACサーボモーター、インバーター、産業用ロボットを活用したこれまでの自動化に加え、機械・設備を実際に稼働させた際に生み出されるデジタルデータの活用に取り組んでいる。アイキューブ メカトロニクスにより生産性の向上、高い品質の確保、そして設備の故障予知などでの止まらない生産ラインを目指したソリューションで顧客に新たな価値の提供を目指している。
産業用ロボットは同社のアイキューブ メカトロニクスコンセプトを実現する中核となる製品であり、サーボモーターなどの状態や作業の結果を収集・蓄積・分析することで、顧客の生産現場における設備やラインの安定稼働による生産性の向上や品質の向上に貢献している。
同社は津田純嗣・前会長が日本ロボット工業会会長や国際ロボット連盟会長を、また小笠原浩会長兼社長も日本ロボット工業会会長を務めるなどロボット業界の先頭に立って業界の発展に貢献してきた。
小笠原会長兼社長は「私は20年5月から22年5月まで日本ロボット工業会で会長職を務めさせていただいた。これまで日本のロボット業界は産業用途を中心に発展してきたと言えるが、現在は人協働ロボットやサービスロボットなど新たな可能性をもったロボットが数多く出てきている。また、AIやデジタルツインなど新たな技術・コンセプトも生み出されてきており大きな変化点を迎えようとしている。ロボット産業全体としてはまだまだ大きく成長する可能性があると感じている。これからの50年がロボット業界の発展のみならず各業界に広く知れ渡るよう、今後も支援していきたい」と語っている。