2022.10.21 【あかりの日特集】クラレ 「ジェネスタ」 自動車や看板向けLED反射板で採用増加
ジェネスタの用途例(LED反射板)
クラレはLED関連材料として、LED反射板用材料の耐熱性ポリアミド「ジェネスタ」を展開している。最近はIT機器向けのほか、LED照明や自動車車室内照明、看板ディスプレー向けLEDなどの用途でも採用が進む。
ジェネスタは同社が世界で初めて工業化したノナンジアミン(炭素数9のジアミン)を使用したポリアミド樹脂(PA9T)。芳香環と高級脂肪族鎖からなるユニークな化学構造の半芳香族ポリアミドで、耐熱性、低吸水性、耐薬品性などの特徴を持つ。
用途は、コネクターなどリフロー対応電子部品が大半を占めていたが、近年は自動車部品向け需要の拡大に加え、LED反射板での採用も増加。スマホやタブレット、液晶テレビのバックライト反射板向けなどで販売を伸ばしてきた。特にコロナ禍以降は、在宅ワーク需要の増加から、PCやタブレット用などが好調だ。
さらに、LED照明や自動車(車室内LEDランプ、カーナビなど)、看板ディスプレー向けLEDなどでの引き合いが増加。照明用は中国のLED化率上昇などが需要を押し上げている。自動車や看板ディスプレー向けでは、ピッチの小径化に伴い、信頼性の高いジェネスタが評価されている。看板ディスプレー向けは、製品のハイスペック化により、他のポリアミド系樹脂などからの置き換えもある。
ジェネスタの特徴は①優れた耐熱性=融点が306度と高く、高温時物性に優れる。はんだ耐熱性は270度②低吸水性=ポリアミドで最も低吸水③優れた摺動(しょうどう)性④優れた成形性-など。①と②で表面実装時のブリスター発生を防ぐ。