2022.10.24 ビヨンド5G推進へ議論 都内で国際カンファレンス、ITU局長就任の尾上氏講演

基調講演するNTTの尾上氏=24日、東京都内のホテル

 次世代通信規格「ビヨンド5G(6G)」の推進に向けた国際連携を産官学一体で検討する「Beyond 5G国際カンファレンス2022」が24日、東京都内で開催された。「国際電気通信連合(ITU)」の電気通信標準化局長に選出された尾上誠蔵NTT最高標準化戦略責任者(CSSO)が基調講演し、6Gの国際標準化に向けて「標準化のやり方そのものが新しい技術に対応していかなければいけない」と強調した。

 同カンファレンスは、2030年代の実用化が見込まれる6Gの推進に向け、総務省と国内通信大手などでつくる産学官の組織「ビヨンド5G推進コンソーシアム」が主催。基調講演した尾上氏は先月30日にルーマニアの首都ブカレストで開かれたITU全権委員会議で次期電気通信標準化局長に選ばれた。

 NTTドコモで数々の要職を歴任するなど国際的に通信技術の標準化に貢献し「LTEの父」とも呼ばれる尾上氏は「移動通信ほど標準化が役に立っていることを示す典型例はない。第一世代で乱立する中から収斂し、競争原理が働いて値段が安くなった」と前置き。「4Gの段階で最終的にはUMBが断念され、LTEが標準になった」と振り返り、6G以降の標準化について「電力などさまざまな課題をクリアできれば、標準化の必要性から解放される時期が来るかもしれない」と述べ、6Gを推進する一方で、新しい技術に対応したフレームワークを進化させる努力が必要だと訴えた。

 (25日付の電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)