2022.10.27 アナログ規制の見直し加速 2年間で9000条項 デジタル臨調

 政府は27日、デジタル、規制、行政の一体的な改革を目指すデジタル臨時行政調査会(デジタル臨調)を首相官邸で開き、インフラ点検で目視を義務付けるなど「アナログ規制」の見直しを加速する方針を決めた。2025年6月までの3年間で取り組むとしていた当初計画を1年前倒しし、約9000条項の法令を2年間で見直す。見直しの工程表は、年内に策定する。

 アナログ規制に関する法令9125条項のうち、約99%に相当する9029条項の見直し方針が確定した。

 対象となる規制は目視点検や定期検査など計約7400件のほか、フロッピーディスクなどの記録媒体提出を求める手続きの約1600件。残りは、年末までに方針を固める。

 デジタル臨調は、デジタル社会にふさわしくない規制を民間技術に代替する可能性について検討するため、作業部会の下に「テクノロジーベースの規制改革推進委員会」を10月上旬に設置。規制の見直し事項と技術の関係を整理した「テクノロジーマップ」や、具体的な技術内容を紹介する「デジタル技術カタログ」の整備に向けて動き出した。まずは「講習や試験のデジタル化」に必要な技術のカタログから先行的に整える方針で、その試行版を今月末までに公表する予定という。

 岸田文雄首相は同日の会合で、「法改正も含めた2年間の改革の工程表の取りまとめ、規制改革に活用できるテクノロジーの整理を加速させたい」と強調した。