2022.11.16 【Inter BEE特集】Inter BEE2022開幕 「コンテンツ」を中核に きょうから幕張メッセで ハイブリッドで開催

昨年のInter BEE会場模様

昨年初披露し高い関心を集めたインカメラVFX撮影デモコーナー昨年初披露し高い関心を集めたインカメラVFX撮影デモコーナー

 日本随一の音と映像と通信のプロフェッショナル展「Inter BEE2022(インタービー2022)」がきょう16日、幕張メッセ(千葉市美浜区)で開幕する。会期は18日までの3日間で、58回目の開催となる。主催は電子情報技術産業協会(JEITA)。

 今年も昨年に続き、リアル展示会とオンライン展示会(1日~12月23日)のハイブリッド型展示会として開かれる。オンライン展示会はすでに開始されており、各出展者ページが公開されている。展示製品やサービスの紹介のほか、デモ・プレゼン動画、資料ダウンロード、出展者セミナー(クラウドやAI活用など)などが視聴可能だ。オンラインで行った基調講演「Inter BEE 2022オープニング&キーノート」や一部セミナーも視聴できる。

 1日に行われたプレセッションで、主催者のJEITAの時田隆仁代表理事兼会長(富士通代表取締役社長)は「全ての出展者や来場者がより良いビジネス創造の場となり、コンテンツに関わる文化、社会、産業のさらなる発展に寄与することを願っている」とあいさつ。

 基調講演では、総務省の山碕良志大臣官房審議官より「放送政策の最新動向」について講演。昨年11月から放送制度の在り方の検討を進めている「デジタル時代における放送制度の在り方に関する検討会」を説明。放送が持続可能なサービスとして、今後も社会的役割を果たし続けることができるよう、30年ごろをターゲットとしたあるべき「放送の将来像」を提示・共有するとともに、総務省が進めるべき「放送制度のあり方」を示した。

 NHKの児玉圭司理事兼技師長は「メディア新時代に向けたNHKの取り組み」として、IT・インターネット活用した、常時同時配信や見逃し番組配信を行っている「NHKプラス」や「NHKニュース・防災アプリ」などについて講演を行った。

 会場では、メディア産業の新たなユーザーエクスペリエンスを提示する展示会として、「コンテンツ」を中核に位置付け、コンテンツを「つくる(制作)」「おくる(伝送)」「うける(体験)」の技術要素を網羅したメディア総合イベントとして、効果的で有意義な情報交流やビジネス創出の場を提供する。

 展示はプロフェッショナルのニーズに応えた「プロオーディオ部門」「映像制作/放送関連機材部門」「映像表現/プロライティング部門」「ICT/クロスメディア部門」の4部門で構成され、バーチャルプロダクションやメタバース、IP、リモート関連を中心とした多様な製品や最新ソリューションを披露する。

 特別企画のラインアップも充実。今年はデジタルコンテンツ協会とともに、新企画「INTER BEE IGNITION× DCEXPO」セッションを設けており、オンラインでは「Innovative Technologies 2022に登場した新技術と今後への期待」をテーマにトークパネルセッションが行われた。会場ではメディアとエンターテインメントの先端映像技術と先端コンテンツ制作技術を発信する場として、INTER BEE IGNITIONとデジタルコンテンツEXPOが融合し、これまで以上に充実した発信の場として展開。

 国内最大のSRスピーカー体験デモ「INTER BEE EXPERIENCE X-Speaker」では、参加するラインアレイスピーカー/ポイントソーススピーカーを試聴できる体験の場として実施する。

 「INTER BEE CONNECTED」は、国内外の放送のさまざまな取り組みの発信と新たな進化に向けた提案、放送と新しいビジネスの互いの価値が発見できる場として展開。

 「INTER BEE CREATIVE」は、インカメラVFXを中心にバーチャルプロダクション関連を中心にした進化するバーチャルプロダクション・映像制作最前線を発信。

 「INTER BEE IP PAVILION」は、放送システムのIP化に向けてメーカー・ベンダー40社が協力し、各社機器がIP標準規格で相互接続を見せる。今回は、IP伝送方式「ST2110」、時刻同期方式「ST2059」、IP制御方式「NMOS」を軸とした展示とともに、放送局の主要な設備がIP接続されたMOC(メディア・オペレーション・センター)をイメージして展開。企業間の垣根を超えた国内最大級の連携によるIP接続環境を再現し、IP中継車やリモートプロダクション、IP特別講演、リレー技術セミナーなどでIP伝送の可能性を提案する。

 「INTER BEE FORUM」では、最新技術動向や新しい発想を提案する多彩なセクションやディスカッションが実施される。

 そのほか、日本民間放送連盟主催の日本全国の民放をつなぎ、放送技術の最新情報と成果を報告する「第59回民放技術報告会」も同時開催する。