2022.11.29 日立がエアコン生産国内回帰 室外機の一部を栃木で

 日立ジョンソンコントロールズ空調が、ルームエアコンの国内生産を増やす検討に入った。生産拠点の栃木事業所(栃木県栃木市)に設備投資し、来年にかけて、100V電源で稼働する標準機用室外機の生産体制を整える。製品供給までのリードタイムを短縮することで顧客ニーズに応え、市場シェア20%の獲得を目指す方針だ。

 日立ジョンソンは現在、栃木事業所でエアコンの最上位機「Xシリーズ」に加え、リビングなど大きな部屋向けとなる200Vタイプの標準機用室外機を生産している。為替リスクや部材の高騰、中国拠点からの輸入にかかる約1カ月というリードタイム、BCP(事業継続計画)などを考慮し、「日本で生産することで状況にフレキシブルに対応できる」(泉田金太郎日本・アジア地域統括)とする。具体的な生産能力は明らかにしていないが、標準機用室外機で100Vタイプは6畳用などのボリュームゾーンであるため、かなりの生産量になると見られる。

 日立ジョンソンが国内回帰を決めたのは、為替などの外的リスクへの対応に加え、エアコンの国内総需要の拡大も背景にある。国内市場は年間900万台が基礎需要となり、コロナ禍の2020年度には1000万台を突破した。

(30日付電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)