2023.01.01 【AV総合特集】各社の23年事業戦略 アキュフェーズ 鈴木雅臣社長

鈴木 社長

イベント復活へ再スタート
お客さまと対面で製品PR

 2022年は、年初から新型コロナウイルス感染拡大による「まん延防止等重点措置」が日本各地に適用され、売り上げの低迷が懸念されたが、国内は総じて好調だった。海外の売り上げも前年から続く巣ごもり需要を受けて好調に推移した。

新製品4機種投入

 そのような中、当社は新製品4機種を市場投入した。3月にAB級ステレオパワーアンプ「P-7300」の後継機「P-7500」を発売。その後、10月には純A級モノフォニック・パワーアンプ「A-250」の後継機で、創立50周年記念モデルの最後を飾る製品として「A-300」を、11月にはAB級プリメイン・アンプ「E-480」の後継機「E-4000」を、同じく11月にはクリーン・パワー・サプライ「PS-1230」の後継機「PS-1250」をそれぞれ発売した。

 いずれの製品も初回生産分は完売となり、その後も販売は好調で製品納入までに時間をいただく場面も多々あった。

 販売が好調な一方で生産面では苦労した。一昨年から続いている半導体をはじめとする電子部品の供給不足や納入遅延、価格高騰が現在も続いている。

 このような状況下、社内コストの削減などに努めたが、製品価格を維持することが不可能となり、やむなく一部製品の価格改定を9月に行った。48年ぶりの価格改定となった。価格改定情報を販売店がお客さまに好意的にアナウンスしてくれたこともあり、価格改定後もお客さまの購買意欲は衰えることなく、新製品を中心に多くの注文をいただいた。

 当社は、経済産業省が主催する製品安全対策優良企業表彰において、17年に3回目の経済産業大臣賞を受賞し、製品安全に取り組むトップランナーである「製品安全対策ゴールド企業」に認定された。昨年はゴールド企業にふさわしいかを審査する5年ごとのフォローアップにパスした。

51年の新たな船出

 今後もお客さまに安心して音楽を楽しんでいただくため、セカンドユーザー登録などの製品安全の取り組みを積極的に進めていく。

 23年は1972年の創業から51年の新たな船出の年となる。昨年まで創立50周年モデルとして、19年に純A級プリメイン・アンプ「E-800」、20年にプリアンプ「C-3900」、21年にSACDプレーヤー・システム「DP-1000/DC-1000」、AB級プリメイン・アンプ「E-5000」、22年に純A級モノフォニック・パワーアンプ「A-300」と6機種を発売してきた。

 これらの製品はそれぞれの分野のフラッグシップ・モデルだが、今年はこの50周年記念モデルで培った音質と技術を新製品に展開していく。

 今年は、新型コロナの影響で自粛していたオーディオショウや試聴会などのイベントがコロナ前の状況まで戻る再スタートの年と考えている。当社は、感染症対策に十分配慮しながら積極的にイベントに参加し、お客さまと対面で製品をアピールしていく。