2023.01.01 【AV総合特集】各社の23年事業戦略 ラックスマン 末吉達哉社長
末吉 社長
「LIFES」さらに拡充
ネットワーク製品、初投入
2025年に迎える創業100周年に向け、次世代ラインアップの一つとして開発されたフラッグシップモデルなどの開発を進め、新開発の高音質・増幅帰還エンジンとして「LIFES」をリリースしたのが一昨年。文字通り音楽の「命(生命力)」を伝えようと、数年かけて準備し、音質的に飛躍的な進化を遂げたもので、昨年末に発売された新製品の「L-509Z」にも搭載されそのラインアップ拡充も進めている。
新製品に高い評価
また新発売した「PD151 MKⅡ」や「D-07X」「PD-191A」などのモデルは好評で、幸い、専門各誌などから高い評価を受け、栄誉ある賞もいただいた。
さらに、カートリッジも内外で高い評価をいただいている。世界的にアナログが見直されて、定着しつつある。
代理店を務めるフランスのスピーカーやヘッドホンの「FOCAL」も引き続き好調だ。ヘッドホンの新製品「UTOPIA SG」がハイエンド製品としてさらに浸透し、比較的若年の層にブランドを広げている。
業界全体では、東京インターナショナルオーディオショウが昨秋も開催できたことも大きい。対策を徹底すれば、こうしたイベントを開いても大丈夫だという業界の空気が改めて広がり、試聴会などの動きも本格化している。
弊社の売り上げは従来同様、国内が約7割、海外が約3割で、海外市場も代理店の支援が手厚い米国などが特に好調。一方で、富裕層が増えていく中国市場は十分に潜在的な魅力がある。
オンラインで対話
売り方の面でいえば、コロナで海外の代理店を直接訪ねることが難しくなった半面、オンラインで気軽に多くの方と対話できる。代理店側も製品への理解を深めてくれている。
懸念材料では、コロナ禍やウクライナ情勢に影響を受けた部品供給の不安定化だ。新年もその影響が続くことが予想され、確実に生産を継続していくには、早めの発注など工夫が必要だ。
展示会などでも従来のように、大勢に来場してもらうことを目指すだけではなく、フォローアップや顧客層の分析を含め、お客さまをきちんとつかめているかが一層大事になる。お客さまの動向をしっかりと把握することがとても大切だ。
団塊ジュニア層を含めファンの裾野を広げていくためにも、さまざまなアプローチを進めていきたい。
新年度も積極的な製品展開を計画しており、昨年の東京インターナショナルオーディオショウで参考出品したコントロールアンプの「C-10X」を皮切りに、初めてのネットワーク製品の投入など新たなチャレンジをしていく。
幸い、社員や代理店の皆さんの尽力もあって業績は堅調に推移してきた。その土台を踏まえて、さまざまな施策を組み合わせつつ、23年は積極展開の年にしたい。
内外のオーディオファンの期待に応えるとともに、趣味性の高い製品づくりを進め、お客さまの要望に応えていく年にしたい。