2023.01.01 【AV総合特集】各社の23年事業戦略 TVS REGZA 笹川知之取締役副社長営業本部長

笹川 副社長

販売支援体制の大幅強化へ
レグザの魅力で差別化図る

 2022年は、1月に米ラスベガスで開催された世界最大規模の展示会CESに7年ぶりに出展し、3年をかけて開発した新高画質映像処理エンジン「ZRα」を発表するなど、年初から積極的な展開を始めた。

 この一年もテレビ専業メーカーとして主力の薄型テレビ「REGZA(レグザ)」シリーズの製品群を拡充し春先からはZRαを搭載した4K有機ELとミニLED広色域量子ドットパネルの4K液晶を筆頭に、幅広い製品を発売したことで高評価を得られたと感じている。

 22年のテレビ市場は前半に中国でのロックダウンや半導体など部材不足の影響が出たものの、18年に傘下に入った中国テレビ大手ハイセンスグループのグローバルでの調達力と生産力にも後押しされ安定して製品提供ができた。

 営業体制を強化してきたことも奏功し市場は厳しかったものの確実に販売台数を伸ばすことができたとみている。

 体制面では全国9支社の営業体制を強化するために、東日本統括と西日本統括をつくり地域ごとの支援体制をさらに厚くしたほか、販売支援では現体制になり初めて全国7会場で内覧会を開催。量販店担当者をはじめ地域店「東芝ストアー」から多くの来場があった。秋にも首都圏と関西の2会場で内覧会と勉強会を行いレグザの特徴を直接伝えることができた。

 昨年は東芝ストアー向けの新たな支援も始めた。東芝ストアーの顧客向けに商品の決済から配送、取り付けまで丸ごと当社が請け負う仕組みを構築、設置が困難な大型テレビなどの販売を後押ししていくもので提案を進めている。より分かりやすい仕組みにしていきたいと考えており、今年も東芝ストアーと一緒になって取り組んでいきたい。

 販売店と顧客の声に耳を傾けワンストップで支援する専門組織「GTM(Go To マーケット)グループ」の取り組みも効果が出ている。昨年はサッカーワールドカップのオフィシャルスポンサーとなりキャッシュバックキャンペーンなどでアピール。店頭でのビジュアルマーチャンダイジングも成果になっている。

 製品面では、主力のレグザシリーズの性能にさらに磨きをかけた。22年モデルは有機ELのX9900Lシリーズと液晶のZ875Lシリーズの最上位機はいずれもレグザ史上最高画質を実現。液晶から有機ELまで、業界トップの製品群を用意していることもあり多様化する顧客ニーズに合わせた販売もできたとみている。

 23年のテレビ市場も22年同様に買い替え需要が中心となってくる。テレビはより大画面化が進むだろう。当社は実際に目で見ているものと同じ画づくりに取り組み本当の〝リアル〟を追求してきている。

 今年もCESに出展し最新の技術を披露していくとともに本当に消費者が求めている製品を出していけるようにしたい。営業面ではより地域密着の販売支援とともに東芝ストアー向けの支援も強化していく。一人でも多くの人にレグザの良さを感じてもらい、ブランド力を高めていきたい。