2020.01.21 二酸化炭素を効率的に分離・回収 東京大学でシンポ

会場の外では、関係企業や機関などが活動などをパネル展示して紹介した。

 地球温暖化対策の重要な選択肢の一つとされ、国なども推進する二酸化炭素(CO₂)回収・利用・貯留(CCUS)技術について考える「革新的CO₂分離回収技術シンポジウム」が、東京大学・伊藤謝恩ホールであった。

 地球環境産業技術研究機構(RITE)などの主催で、経産省と新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が共催。研究者らが講演し、約300人が集まった。

 RITEでは、CCUSのうち、石炭火力発電所などの排ガスから高効率・低エネルギーでCO₂を分離回収する固体吸収材と呼ばれる技術を開発しており、低コストな技術として期待されている。

 他にも、国内では、石炭をガス化して効率的に利用する石炭ガス化複合発電(IGCC)などで発生するガスから低コストで回収する分離膜などの開発が進んでいる。

 RITE副理事長・研究所長の山地憲治氏は、「CCUS実用化への展望と課題」と題して講演した。環境技術の革新を、エネルギー転換分野や産業分野などで検討。

 ビッグデータ解析やAI(人工知能)、ブロックチェーンといったデジタル技術などを「共通基盤技術」と位置づけ、「こうした技術が各分野でイノベーションを導いていく」と語った。その他、計5人の研究者らが最新の研究動向などをテーマに講演した。