2023.01.11 【電子部品総合特集】ダイヤモンドエレクトリックホールディングス 小野有理社長CEO兼グループCEO 自動車機器など3本槍を成長

小野 社長

 混迷の中にあるが、苦難の嵩(かさ)は皆同じだ。お客さまの発展に寄与し社会の豊かさに貢献する、世のため、人のために尽くす公器として、自動車機器事業、エネルギーソリューション事業、電子機器事業の3本槍をしっかり成長させていく。

 3事業を3本槍と比喩したのは、3本槍で各市場に深く入り込み、長く続くようにとの思いからだ。放たれたら終わりの矢と違い、槍は手放さない。〝お客様要求品質第一に徹する〟不変の方針の下、市場、お客さまとしっかりつながりを持ち続ける意味も込め、再点火反転攻勢をかけ、成長を加速させる。

 ニューノーマル時代にも持続可能な成長を描ける計画に見直し、2023年度売上高1000億円、24年度営業利益率6%、ROE15%以上とした中期5カ年経営計画「DSA2021」が22年度で一定の成果が得られることから、23年度に新中期5カ年経営計画をスタートさせる。最終年度の27年度に電子機器事業で800億円、自動車機器事業で350億円、エネルギーソリューション事業でも350億円の全社売上高1500億円を目指す。さらにその2、3年後に売上高2000億円を目標にする。

 自動車機器事業は独禁法違反の影響が大きく再生途上だが、ダイヤモンド電機の祖業である特殊変圧器の点火コイルの復注、新受注が入ってきた。米国、インドネシアでの原材料高、部品不足を起因とした物流費アップ、人件費アップに対し復活の道筋も描き始めることができた。多くのアカウントをしっかり保持できているため、車メーカーにプロダクトミックス、チャンネルミックスでパワーコンディショナー、蓄電ハイブリッドシステムを販売している。まさに再点火し始めた。

 電子機器事業は米国でエアコン用電子基板実装を受注し、失注していたエアコン用トランス、リアクターの受注も取り戻す。田淵電機の祖業だが最も売り上げを伸ばせる事業として捲土重来を図る。

 エネルギーソリューション事業はグローバルサプライチェーンの再構築や大手商社との取引開始で部材調達難による1、2割のシェアダウンを食い止め、回復に向かいつつある。蓄電ハイブリッドシステムなどを生産する、栃木大田原工場の稼働率が昨年11月130%になった。ものづくり企業復活、反転攻勢の手応えを感じる。