2023.01.11 【電子部品総合特集】バイコー 堂園雄羽代表取締役社長 オートモーティブ事業を加速
堂園 社長
2022年度(22年1~12月)はHPCや航空宇宙・防衛、インダストリアルなど幅広い分野がグローバルで好調となり、大きな成長を遂げた一年だった。
日本法人も半導体製造装置や検査装置、産業機器などで売り上げを伸ばし、グローバルの業績拡大に貢献した。
当社は米国マサチューセッツ州に本社を置く、電源コンポーネントの専業メーカー。独自の技術力を生かした電源の開発・生産・販売を行っており、データセンターやHPC、産業機器、自動車、鉄道、通信、航空宇宙・防衛など幅広い市場に製品を供給している。
21年度には①コンピューティング&コミュニケーション②オートモーティブ③インダストリアル④航空宇宙・防衛―の4事業部門に組織を改編。組織変更から一年が経ち、各事業部のビジネスも円滑に推進している。
各地域の成功体験を事業部で共有し、顧客ニーズに合わせたサポートができている。事業部同士のシナジーも生まれ、着実に成果につながっている。
22年5月には米国本社の工場拡張工事が完了した。敷地面積は従来の2倍近くとなった。
独自の電源パッケージング技術「ChiP」(converter housed in Package)タイプの製品に特化した生産ラインを備えており、22年末にはフル稼働となる。新たな工場の用地選定も進めており、さらなる安定供給に向けたグローバルサプライチェーン強化を目指す。
23年度はこれまで開発に取り組んできたオートモーティブのビジネスが加速する。既存ビジネスも継続して成長が続くと見込んでおり、事業拡大に向けて取り組む。①既存顧客へのサポート強化②オートモーティブの量産対応③代理店との連携強化―を事業戦略とし、拡販を目指す。
小型・大電流のAC-DCコンバーターなど新製品も開発中。損失低減や小型・軽量ニーズに対応する高効率・高電力密度製品などの強みを生かし、提案活動を進める。
体制強化の一環として「オペレーショナル・エクセレンス」という意識改革を昨年から始めた。全社員を対象とし、グローバルで取り組んでいる。引き続き、人員体制も強化していく中、社員の意識を高め、顧客へのサービス向上につなげていく。