2023.01.11 【電子部品総合特集】SMK 池田靖光社長 市場変化を迅速に捉え対応する
池田 社長
2023年に向けて期待するのは中国のウィズコロナ進展。22年ほどのインフレ上昇はないと予想される。ネガティブ要素は景気後退リスク、地政学リスク、エネルギー供給不安、サプライチェーンの分断などがある。
23年度は中期経営計画の最終年度として重要な年。中期経営戦略のビジョンは「CREATIVE CONNECTIVITY-Challenge, Creativity, Solutions」。
コア技術である「接続技術」「無線技術」「入力技術」「モジュール技術」などを活用し、ヒトとヒト、ヒトとモノ、モノとモノを創造的につなげ、社会の発展に寄与するソリューションを提供していきたい。社員一人一人がクリエイティビティーを発揮し、課題に対してチャレンジし、ソリューションを提案することで成長を目指す。
中計の取り組みテーマは①コスト競争力の強化②付加価値の高い製品への注力(差異化製品による新市場・新顧客の開拓)③ビジネスモデルの多様化。
コスト競争力強化では、業務フローを見直し本当の意味でのDX化を図る。生産性や品質を追求し、データを活用したスマートなモノづくりを推進する。BCPも強化する。
付加価値の高い製品への注力では、高付加価値製品への転換を図り、採算性の見える化の精度を向上し販売価格適正化も進める。新顧客や新市場開拓に向け、スタートアップなどとの共創や事業部横断型製品開発に力を注ぐ。
ビジネスモデル多様化では、カスタム部品に加え、提案型のマーケティング型ビジネスへの転換を図る。単体部品の売り切りビジネスから、ソフトウエアビジネスや課金型ビジネスの創出を目指す。
重点市場は①CASE②5G③ウエアラブル④IoT⑤ヘルスケア。
直近の市場への懸念は円高懸念、情報通信市場の回復の遅れ、米中の市場低迷、自動車生産スライドなどがあるが今期計画はしっかりクリアしたい。そして中計の最終目標に近づけていきたい。市場は下振れリスクがあるが、市場の変化を迅速に捉え、対応することで差が出てくる。
新製品開発は、自社開発とオープンイノベーションによる開発の両輪で取り組む。高周波技術、生体情報センシング、アルゴリズムなどで付加価値を高めていく。