2023.01.10 【製造技術総合特集】シンキー 自転・公転式ミキサーに資源集中 グローバル市場で事業を拡大へ
石井 社長
シンキーは、自転・公転式スーパーミキサーを主力にグローバル市場で事業を拡大している。石井青志社長は「当社は1970年の創業以来、世の中にない新しいテクノロジーを独自に開発し、人々の感動や感激を創造する製品を提供してきた。これからも自転・公転式ミキサーのパイオニアとして、ミキサー事業にリソースを集中して深化と拡大を続け、世の中に役立つ製品を創出すべく、努力を続ける」と事業への思いを語る。
自転・公転方式ミキサーは、400Gを超える遠心力を加えながら(公転)、材料自体を流動させる(自転)ことで、通常では得られない脱泡性能を実現する。粘度差や比重差のある材料でも短時間で均一な攪拌(かくはん)を実現する。さらに、真空減圧機能を加えたり、回転数を材料に合わせて最適化するなど、同社が長年培った調合レシピ・アプリケーションノウハウを組み合わせることで高度な攪拌・脱泡性能を発揮する。高粘度材料を用いた撹拌プロセスにも対応する。
需要は医薬・医療。塗料、食品、製紙、化粧品、自動車、エレクトロニクスなど多岐にわたり、先端素材開発や最先端化学分野の採用も多い。
石井社長は「22年は部材不足もあったが、部材調達に万全を期して製品を提供できたことで各業種向けとも売り上げが伸び、業績的にも過去最高を更新した。特に海外が好調でだった」と話す。
製品は高度な攪拌・脱泡性能を発揮する「あわとり練太郎」シリーズから、ナノレベルの粉砕性能で先端材料開発に寄与する「粉砕ナノ太郎」、世界最高水準の分散性能を発揮する「分散ナノ太郎」まで、市場の要望に要望に応える幅広いラインアップを取りそろえている。あわとり練太郎シリーズは大気圧、真空、真空LED各タイプをそろえる。「ナノ太郎シリーズ」(粉砕機/分散機)の分散機は、凝集の強いCNTなどのナノ材料を均一に分散する。
「はんだ練太郎」は、はんだ不良の原因と考えられるペースト内の気泡(ボイド)を除去することが可能。オプションのアダプター使用でシリンジ詰めのソルダーペーストを脱泡できる。