2023.01.10 【製造技術総合特集】カナデン 製造現場向けに解決策提案 FA事業を中国などで拡大
本橋 社長
カナデンは三菱電機のFA・冷熱・ビル・半導体などの代理店を事業基盤として、FAシステム、ビル設備、インフラ、情通・デバイスの4基幹事業で、国内のほか中国・東南アジアで事業を展開する日系企業を中心に事業を拡大。FAシステム事業が全売上高の37%(2022年度)を占める。23年3月期上期は最終利益が前年同期比倍増となる好業績を上げた。
本橋伸幸社長は「パワー系を中心とした半導体・デバイスやシーケンサー、サーボなどFA機器の長納期化が継続しているが、製造業の設備投資需要が堅調だったことから増益を計上することができた。産業メカトロニクス分野のレーザー加工機や産業システム分野のプラント設備機器が順調に推移した。23年は一部取引先の調整局面が懸念され、慎重に取り組む」と話す。
同社は製造現場向けに画像処理技術を応用した予知保全の監視システムや生産性向上のためのソリューションを幅広く用意し、顧客に提案している。
FA分野に向け、「FAtis(フェイティス)」の提供を始めた。VMS(ビデオマネジメントシステム)をベースとして工場の機器やセンサー情報を集約したIoTプラットフォームだ。データと映像を集約して管理することで事故やトラブルの原因究明、および効果的な再発防止策の立案が可能になる。AIとも連動したエリア検知による現場の安全管理、リモート監視、研修などさまざまな用途での活用も期待できる。
物質が壊れる時に発生する弾性波をセンシングして故障を予知する「Early Observer」も提案。こうしたソリューションを「カナデンDX」の一環として推進する、ウェブを活用した「製品サイト」で提案し、引き合いが増えている。
海外は中国、香港、シンガポール、タイ、ベトナムに現地法人を構え、FA事業を海外でも強化、拡大している。タイではSIパートナーと協業し、省エネ・省人化ソリューションの提案、環境関連の商材開拓を推進。タイ、シンガポール、ベトナムの現地法人が連携し、インド市場も視野に置いた海外事業の拡大も進める。