2023.01.13 【放送/機器総合特集】23年 年頭所感 総務省情報流通行政局衛星・地域放送課 安東高徳課長

安東 課長

4K放送拡充へ周知重ねる
CATVなどの発展へ

 2023年の年頭に当たり、謹んで新年のごあいさつ申し上げます。皆さま方には日頃より衛星放送やケーブルテレビ、コミュニティー放送をはじめ情報通信行政に格別のご理解とご協力を賜り心より御礼申し上げます。

 衛星放送分野については、昨年3月に3事業者がBS右旋帯域で新たに2K放送を開始し、新しい風が吹いています。また、4K8K放送については、視聴可能な機器の出荷台数の累計が9月に1400万台を超え、1500万台の大台の突破も目前に迫っています。4K放送は高精細で立体感、臨場感あふれる映像が魅力であり、引き続き4K放送番組の充実や、4K放送番組の視聴方法を含めた認知度の向上を図ることが重要です。

 本年は、BSおよび110度CSにおける4K8K衛星放送の開始から5年という節目の年。総務省としても4K放送の拡充に向け、事業者の公募・認定や関係事業者・団体と連携した一層の周知広報に積極的に取り組んでまいります。

 ケーブルテレビについては、地上放送や衛星放送の再放送をはじめコミュニティーチャンネルによる地元密着の放送や各種通信サービスを提供することにより毎年着実に発展を続け、現在では世帯普及率50%を超える地域になくてはならないメディア。災害時の被災情報や避難情報といった地域住民の安全・安心に不可欠な情報を伝達する手段としても期待されています。

 総務省では、ケーブルテレビの光化や2ルート化などに対する支援により、引き続き放送ネットワークの強靱化(きょうじんか)・耐災害性強化に取り組んでまいります。老朽化などにより維持管理が困難になりつつある辺地共聴施設の実態も踏まえ、ケーブルテレビ事業者が既存サービスエリアの光化と同時に共聴施設までサービスエリアを拡大する場合、これらを一体的に支援できる措置も新たに講じたところです。

 ローカル5Gを活用したケーブルテレビ伝送路の実現に向けた課題解決にも取り組んでいます。4K放送で地域の魅力を発信するという点で多くのケーブルテレビ事業者の皆さまが連携して取り組んでおられる「ケーブル4K」にも期待しています。コミュニティー放送については、それぞれの事業者が、生活情報、防災情報を含む行政情報など、地域の需要に応じたきめ細かい情報提供を行っております。昨年8月には同事業者の経営基盤確保などの観点から、開局制限を一部緩和しました。今後、間接出資規制の見直しなども進めてまいります。

 依然として新型コロナウイルス感染症の影響が残る中、ネット配信の進展や若者のテレビ離れなど放送を巡る環境は変容している一方で、視聴者への安定的な情報提供という放送が果たす役割への期待が増しているのも事実です。総務省としては、衛星放送、ケーブルテレビ、コミュニティー放送などのさらなる発展に向けた取り組みを本年も進めてまいります。最後に、関係者の皆さまのご健勝と今年の干支(えと)である「うさぎ」のような御活躍(飛躍)を祈念し、新年のごあいさつといたします。