2023.01.18 【情報通信総合特集】OSK 橋倉浩社長

基幹系・情報系統合しDX支援

 主力の基幹系システム「SMILE(スマイル)V」を機能強化した後継製品として、昨年5月にリリースした「セカンドエディション」が、これまでの月間導入件数レコードをほぼ毎月更新する好調ぶりをみせた。電帳法改正やインボイス制度への対応の動きと、市場投入のタイミングがうまく重なった。

 同時に後継製品を出した情報系システム「e Value(イーバリュー)V」も順調だ。スマイルV2とイーバリューV2を組み合わせ、企業のデジタルトランスフォーメーションを支援する「DX統合パッケージ」として近く提供する予定だ。

 販売・会計・人事給与の基幹系スマイルV2と、ワークフローやドキュメント管理を担うグループウエアのイーバリューV2を中心に、さまざまなサービスを絡めて顧客企業のDXをトータルに支援するソリューションにしたい。

 研究開発では、OCR(光学式文字認識)に人工知能(AI)を活用した「AI OCR」の自社製品化に取り組んできた。これまで他社のソフト開発会社の製品を扱ってきたが、実用化できるところまで認識精度を高めることができた。今後、自然言語認識と画像認識、分析の精度をさらに磨き、近い将来は大塚商会グループのOCRエンジンとなれるようにしたい。

 町工場など地域の中小製造業者をターゲットにした生産・販売管理支援の取り組みも強化している。昨年4月には業種推進課を立ち上げ、若手社員が中心となって地方での営業手法を学んできた。今年はクラウド型生産管理システム「Wun-jin(ウンジン)」を中心に販売を強化し、多品種小ロット生産の中小加工業のデジタル化支援を本格化させる。これまで手薄だった日本海側での営業活動にも力を入れたい。

 こうした新しい販売戦略を通じて、現状20%に届かない外販率を30%まで高めたい。

 2023年は「創造する技術と共創で真の価値を提供する」をスローガンに掲げた。オリジナル技術を最大限に生かして過去最高の売り上げを目指したい。