2023.01.18 【情報通信総合特集】NECソリューションイノベータ 石井力社長

SIと健康経営への支援に注力

 国内IT市場はデジタルトランスフォーメーション(DX)が加速し、クラウドシフトの需要が堅調に推移している。当社の上期の売上高も前年同期比3%アップし、新年以降も追い風は続くとみている。

 特にDXを進める企業の買い替え需要や官公庁のシステム標準化の動きが旺盛だ。2025年ごろまでこの流れは変わらないだろう。ソフトウエア世界大手の独SAPの基盤システムの導入支援を、事業部を立ち上げ本格化している。

 スマートシティーに向けた取り組みはコンサルティング、システム実装、データ駆動型、アウトソーシングの四つの能力が求められている。上流からコンサルを行い、基幹システムやデータ統合基盤を構築して顧客管理し分析する。一社でできないものはアウトソーシングで対応するといった流れは自治体でも同じだと考えている。これまで培ってきたノウハウで、自治体予算の適正配分やコスト削減など効率的な都市経営のモデル化を目指している。

 強みであるシステムインテグレーター(SI)の領域と、もう一つの柱であるバリュープロバイダーの領域ではヘルスケアにも注力している。

 子会社のフォーネスライフを軸に健康経営への支援を進めている。血中のタンパク質から将来起こりうる疾病を予測するサービスなどを通じて病気を未然に防ぎ、行動変容につなげていく取り組みだ。医療費を抑制する意味でも潜在ニーズは強く、新たな市場を開拓していきたい。

 顧客が求めるニーズは「作る」から「使う」に変化している。変革のスピードが増す中、2023年は全体の工程をアジャイル(俊敏)に対応できるようにしていく。

 システム開発だけでなく、NECグループ会社のアビームコンサルティングとも連携して上流側の技術的なコンサルと、下流側の運用面の支援を強化する。ライフサイクル全体を捉えてビジネスにしていきたい。

 今年は、活躍する人材が集う魅力ある企業を目指し「アトラクト&リテイン」を掲げ、ウェルビーイング経営を進めたい。