2023.01.18 【情報通信総合特集】エプソン販売 鈴村文徳社長

インクジェットで環境優位性訴求

 2022年の国内のICT市場は、半導体不足、為替の変動、原材料の高騰、さらにサプライチェーンの混乱など厳しい状況が続いたが、働き方改革、DXなどの取り組みが進展。また、環境問題への関心が高まった。

 23年のICT市場環境も、部材不足、サプライチェーンなど製品供給面の課題も徐々に解決され、緩やかな回復基調は続く。

 エプソンは、長期ビジョン「Epson 25 Renewed」に基づき環境負荷低減に積極的に取り組んでいるが、26年を目標に、新規販売するオフィス向けプリンター本体全てをインクジェット方式に切り替える。

 2月上旬から環境性能に優れたインクジェット複合機のA3カラー中速機を「スマートチャージ」で投入する。これにより低速、中速、高速のフルラインアップが実現、幅広く市場をカバーできる。特に新製品は、オフィスのセンターマシンと位置付け、オフィス戦略を徹底していく。

 企業の環境意識も高まっている。オフィス市場は、競業各社がひしめく厳しい市場だが、インクジェットは社会課題の解決にマッチした商品だ。低消費電力、省資源化を実現し、大幅にCO₂排出量を削減できる。パートナーとも連携し、脱炭素社会に向けた協業を開始した。オフィスの出力環境やCO₂排出量の〝見える化〟を提案していく。

 スマートチャージは、文教分野や医療分野についても引き続き強化していく。文教向けには「アカデミックプラン」を提案。全国で導入が進み、先生の働き方改革、教育の質の向上に貢献している。医療現場に対しても、省電力など環境面やBCPの観点からも訴求している。

 このほか、プロジェクターは空間演出やイベントスペースなどでの体験価値向上に向け提案。大判プリンターなど商業印刷のデジタル化ニーズに応えていく。

 エプソンは「省・小・精」から生み出す社会価値創出に注力している。23年は、お客さまの課題解決のために環境価値を提供、サーキュラーエコノミーに貢献していきたい。