2023.01.19 【LED照明特集】三菱電機照明 吉村恒則代表取締役社長
吉村 社長
リニューアル需要対応の提案加速
昨年は電気代の高騰や部材調達の問題などもあったが、6月以降は徐々に製品供給も安定してきた。市場としては施設分野のリニューアルが好調であったことから、上期(2022年4~9月)では増収を達成できた。半面、素材価格や物流費の高騰が響き、製品の値上げにも踏み切った。
高天井用LED照明「GTシリーズ」は、省エネ・節電ニーズの高まりもあって、工場や倉庫で導入が進んだ。無線人感センサーユニットとの組み合わせでさらなる省エネを実現する提案も行っている。電気代の値上がりは、倉庫などでLED化への投資の後押しになっている側面もあり、GTシリーズの需要は継続している。
青空照明「misola(みそら)」は、病院や保育園などで導入が順調に広がっている。窓のない空間で「癒やし」や「快適」につながるものとして認知が広がっており、製品サイズや色温度の変化などに関し、ユーザーからさまざまな要望も寄せられている。リラックススペースで複数台を導入する事例なども多く、新しい製品開発で次の展開につなげていきたいと思っている。みそらは、これまで1000台弱を導入してきた。
今年も施設などのリニューアル需要が事業をけん引していくことになるだろう。国内にはLEDに切り替わっていない既設照明がまだ約50%残っており、リニューアル需要の潜在性は高い。初期のLEDから最新のLEDへの交換需要も高まっている。
製品供給については、昨年の上海ロックダウンの経験などを生かし、外的リスクに対応するためにも戦略的に部品在庫を持つようにしている。照明は少量多品種であるため簡単ではないが、設計変更などで部品の標準化もこれまで以上に進める。生産にかかるリードタイムも考慮しながら対応を進めたい。
主力のLEDベース照明「Myシリーズ」やGTシリーズなどでリニューアル需要に応える提案を今年は加速する。22年度の売り上げは前年プラスで着地する計画だが、23年度も増収を目指していく。同時に、空調機器や換気扇、照明など三菱電機グループとの連携を強めるとともに、IoT技術を生かしてソリューション提供していきたいと思っている。