2023.01.19 社食に1973年製冷蔵庫の名機を展示 シャープ八尾事業所
壬生寺から寄贈された1973年製、当時業界初の野菜専用室を設けた3ドア冷蔵庫「ニューアラスカ」
シャープ 八尾事業所(大阪府八尾市)内に社員食堂「isshoku」(八尾第一食堂)が開設されたのは2021年10月。ここでは、創業時からの歴代自社商品の代表的な実機を展示してある。
同社商品開発の歴史が一目で分かり、"他社にマネをされる商品を作る"という今にも生きる同社のDNAに触れることができる。
■探していた冷蔵庫が加わる
歴代展示は、シャープペンシルにはじまり、太陽電池や電卓、液晶ビューカムなど同社を代表する商品ばかりだが、探しても見つからなかった冷蔵庫があった。
それは1973年製の当時業界で初めて「野菜専用室」を設けた3ドア冷蔵庫「ニューアラスカ」SJ-3300X(当時の希望小売価格12万9800円)だ。
当時は1~2ドアが主流だった時代、初の「野菜専用室」を設けた3ドアとして、冷蔵庫の歴史に一時代を築いた。
同社で探しあぐねていたところ、シャープ製品を扱う京都の販売店・杉本商事の杉本光一社長から、顧客である壬生寺で見つかったと連絡が入ったという。壬生寺では処分しようとして同店に連絡を入れたそうだ。
杉本社長は実物を見て「何かオーラを放っていた」と話す。杉本社長は、早速シャープに連絡を入れ、ニューアラスカを探しあぐねていた八尾事業所で、今回の"殿堂入り"が実現した。
シャープの菅原靖文執行役員Smart Appliances & Solutions事業本部長は「今の冷蔵庫に通ずる、さまざまな機能が搭載された冷蔵庫のルーツのような商品。当社のモノづくりのDNAを思い起こさせる」と感慨深げだ。
冷蔵庫事業を担当するキッチン事業部の社員も「初めて見た」人ばかり。興味深々で実機に触れた。ドアポケットを傾けることができ、出し入れしやすいというちょっとした工夫にも感心していた。先輩技術者に負けないよう、次の商品開発への意欲が高まったようだ。