2023.01.23 地域電器店の新規客獲得 チラシやネット、口コミで積極発信

カレンダーや記念品などで顧客に感謝を伝えている

 顧客の高齢化が進む地域電器店では若いファミリー層など新規客獲得に向けてチラシやネット、さらには口コミも活用して店のセールスポイントや商品知識、修理・リフォームの対応・流れなど情報の発信に努めている。

 日立チェーンストールの石田でんき(東京都大田区)は、お客からお客への口コミと立地をうまく生かして新規客を増やしている。お客への積極的なアプローチよりも、お客からの要望に応える経営を行っている。

 同店社長の仕事ぶりに感心した既存客が、知り合いに同店を勧める口コミで新たなお客が増えているという。紹介してくれたお客にはお礼の気持ちを電話で伝えたり、年末にはカレンダー、年始には年賀状とタオルを贈ったりする。

 周辺には集合住宅が多く立ち並び、戸建て住宅からマンションに移り住んだ高齢者も新規客として同店を利用。テレワークをしているお客からLED照明の交換依頼が来るなど、困った時にすぐに駆け付けて欲しいといった依頼が目立つ。

 パナソニックショップのなかじまでんき(京都市左京区)では、これまで利用していた地域電器店が閉店し、頼るところがなくなった人などに向け、年4回、困りごと相談のチラシを配布し、新規客からの依頼が増えているという。

 同店社長は「毎回範囲を変え、四季ごとにチラシを配布している」と話す。来店客から「たまにチラシが入っているお店だよね」と声を掛けてもらうことも。

 パナソニック系のナカオ(福島市南矢野目)は、ホームページを見た人や顧客からの紹介で新規客が増えている。ホームページでは、よくあるQ&A、修理、リフォームなどの事例紹介、家電品購入や修理の流れなど、詳しく、安心して依頼できるようにしている。お客から寄せられた声も掲載し、同店は「ホームページを充実させており、見て依頼する新規客が増えている。エコキュートの買い替えなどの依頼も多い。スタッフもスピード感をもって対応していることで紹介などにもつながっている」と話す。

 (24日付電波新聞、電波新聞デジタルで詳報します)