2023.02.07 【掃除機特集】コードレススティック型が好調
清潔・快適志向の高まりや掃除負担の軽減ニーズを背景にコードレススティック掃除機の需要が高まる
コロナ禍で在宅の機会が増え、家事負担が増加している一方で、室内の清潔・快適性向上への関心が強まっている。こうした中、掃除機の販売が好調に推移している。掃除機の市場は近年、家事負担の軽減に効果的なロボット掃除機や、取り回しに優れたコードレススティック掃除機への関心が強まっている。ウィズコロナの段階に入っても、依然として室内の清潔・快適ニーズは根強く残り、掃除機への根強い需要が見込めそうだ。
在宅時間が伸びたことで、掃除の頻度が増えたユーザーは多い。いまや販売ボリュームが最も多くなったコードレススティック掃除機は、メーカー各社の軽量かつハイパワー、静音性、デザイン性に優れた開発が活発だ。ユーザーニーズに寄り添った機能・特長が、強い支持を集めており、買い替え、買い増し需要が順調に拡大している。
掃除機市場は、コロナ禍に見舞われた2020年度、5年ぶりに増加に転じ、前年度比11.8%増の488万4000台(日本電機工業会=JEMA調べ)と2桁伸長した。21年度は好調だった20年度の水準をやや上回り、同1.0%増の493万1000台を記録、2年連続で増加した。さらに22年度に入ると、4~12月の累計出荷台数は前年同期比21.7%増の448万2000台と大きな伸びを示しており、21年度からさらに加速がついた印象だ。
コードレススティック掃除機は、掃除機全体に占める構成比が6割を超えている。かつて主流だったキャニスター型掃除機(紙パック式や、サイクロン掃除機)から、掃除機のメイン商品の地位を固めた格好だ。今後もこの傾向は続き、今までキャニスター掃除機を使っていたユーザーも、スティック掃除機へ買い替える動きは続きそうだ。
コードレススティック掃除機のスペック、デザインは大きく進化している。電池性能の進化などで軽量化しながら、長時間運転も可能となっている。
また、軽さ・パワーにとどまらず、ごみ取れ性能、ブラシへの髪の毛の絡みにくさなど、メンテナンス性向上等の掃除負担を軽減するための製品戦略に、各社力を入れている。
在宅機会が増えたことで、隣近所の家事に関わる騒音が気になるケースが増え、掃除機にとっては静音性も重要な特長となりそうだ。テレワーク時に騒音を出せば、仕事のパフォーマンスも低下することにつながる。メーカーによっては、静音に特化したモデルの開発に取り組むケースもある。
インテリアに映えるデザインの採用など、幅広いニーズに対応する商品戦略の活発化で、買い替え、買い増し需要の顕在化につながりそうだ。
パナソニックの主力製品
「パワーコードレス」MC-NS10K
ごみの収集、充電を自動化
パナソニックは、掃除の始まりから終わりまでラクに使えて、しっかりキレイ。をコンセプトとした、セパレート型コードレススティック掃除機の提案に力を入れる。
「パワーコードレス」MC-NS10Kは、国内で初めてスティック本体から分離したダストボックスを充電台に内蔵した、セパレート型のクリーンドックを搭載する。
掃除後のごみを自動で収集することで、スティック本体のごみ捨てをなくし、掃除後の手入れの負担を大幅に軽減できる。1回の掃除ごとに本体にたまったごみをクリーンドック内の紙パックに自動収集する。
ダストボックスを分離したことで、本体はスリムで軽量なデザインとなった。クリーンドックに設置された本体を手前に引くだけで簡単に取り出すことができ、手元にかかる重量が約0.45キログラム(本体質量約1.5キログラム)を実現、掃除中は軽く動かすだけで操作できる。
さらに、掃除終了後もクリーンドックに設置するだけで、ごみの収集と充電が自動で開始するため、掃除の始まりから終わりまで負担を大幅に減らすことができる。
クリーンドックの紙パックの交換は1カ月に1回で、紙パックのため簡単・清潔に交換できる上、ノズルは髪の毛やペットの毛も絡みにくい「からまないブラシ」搭載で、手入れの負担も大幅に軽減できる。
同社独自のからまないブラシは、中央に向かって先端が細くなる円すい形のブラシを2本採用した新構造で、かき取った毛をほどきながら中央に集めて吸引する。
ブラシの毛量を従来に比べ大幅に増やした密集ブラシにすることで、髪の毛やペットの毛がブラシの隙間・根本に入り込まず、絡みにくくなり、高まる清潔ニーズに応えることができる。
本体にはクリーンセンサーを搭載しており、約20マイクロメートルの微細なごみもランプで知らせるため、見えないごみも逃さず掃除できる。
クリーンドックには「ナノイーX」を搭載した。掃除後にスティックを戻すと、1日当たり約4時間「ナノイーX」が放出され、紙パック内に集めたごみを除菌・脱臭する。