2023.02.14 クアンドが福岡県副知事を表敬訪問 累計5億円の資金調達を報告

左から下岡社長、江口副知事、福岡県ビジネスプロデューサーの勝屋久氏

下岡社長がシンクリモートについて説明した下岡社長がシンクリモートについて説明した

 遠隔コミュニケーション支援アプリ「SynQ Remote(シンクリモート)」を手掛けるスタートアップ、クアンド(北九州市八幡東区)は1月、国内のメガバンク系ベンチャーキャピタルなどから新たに約3億8000万円の資金調達を完了した。2021年夏には1億2000万円の資金を調達していて、プレシリーズAでの累計額は5億円となった。

 シンクリモートは製造や建設、メンテナンスといった現場に特化したビデオ通話アプリ。対象物をポインタで指し示すなどして、口頭や文章で伝えにくい内容も正確に伝えることができ、遠隔での現場管理を実現する。

 ベテラン技術者の業務負荷を軽減するとして20年のリリース後は利用する企業や機関が増加、1月時点で約4200アカウントが登録されている。安川電機や大東建託など大手企業でも導入が進んでいる。

 福岡県も支援事業を通じて同社の製品やサービス開発への助成を行ってきたほか、起業家や投資家とのマッチングも支援してきた。

 8日には、同社の下岡純一郎社長が福岡県庁を訪れ、江口勝副知事に今回の資金調達を報告。シンクリモートについて説明したほか、同社の取り組みなどを紹介した。

 下岡社長は「今後は通話機能に加え、ノウハウをデータベースとして蓄積させるような機能も実装したい」と話した。同社の今後については、地域産業の課題解決で発展してきた北九州の企業の一つとして発展させたいとも語った。

 江口副知事は「県としてもITスタートアップの支援に力を入れているところで、このような動きが出てきて心強い。業界全体のDXに寄与できるツールだと思う」と述べた。