2023.02.16 日立など電機労組、ベア7000円要求 物価上昇に見合う賃上げが焦点
日立の田中執行役常務に要求書を手渡した日立労組の半沢中央執行委員長(左)=16日、東京都千代田区の日立本社(提供=同社)
2023年春季労使交渉(春闘)で日立製作所の労働組合は16日、要求書を経営側に提出した。基本給のベースアップ(ベア)に相当する賃金改善分として、前年の要求水準の2倍を上回る月額7000円を求めた。NECや富士通などの電機主要労組も同日までに7000円という高水準の賃上げを要求した。原材料価格の高騰や円安などを背景とする物価上昇が家計を圧迫する中、経営側が物価上昇に見合う賃上げにどの程度応じるかが焦点となりそうだ。
優秀な人材の争奪戦が世界的に激化する中で各社の経営陣は、人材確保やモチベーション向上に向けた環境づくりに意欲的な姿勢を打ち出す必要性にも迫られている。
日立労組の要求額は、7000円だった1998年以来25年ぶりの高水準という。東京都内の日立本社では、日立労組の半沢美幸中央執行委員長が日立の田中憲一執行役常務に要求書を手渡した。
半沢氏は、要求書の提出時に「経済情勢、企業業績、組合員の生活実態などを冷静に分析し、要求を立案した」と説明。田中氏は「会社としては『人的資本の充実』に向けた総合的な『人への投資』について議論を深めていきたい」とした上で、労使で重ねた議論の成果を将来の事業成長と社員の成長につなげる考えも強調した。