2023.02.17 H3ロケット打ち上げできず 防災や安保に期待の「だいち3号」稼働も先送り

予定時刻直前の様子。主エンジンには着火したが、固体ロケットブースターが着火しなかったもよう(JAXAの配信動画から)

発射予定時刻直後の様子(JAXAの配信動画から)発射予定時刻直後の様子(JAXAの配信動画から)

搭載前に報道陣に公開された「だいち3号」(三菱電機で)搭載前に報道陣に公開された「だいち3号」(三菱電機で)

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は17日午前、種子島宇宙センターで、新型ロケット「H3」の打ち上ち上げに臨んだが、発射できなかった。三菱電機が受注した地球観測衛星「だいち3号」を載せており、今後の防災や安全保障などに資することが期待されているが、その活躍も先送りされる形になった。

 JAXAによると、主エンジンは着火したものの、固体ロケットブースターが着火しなかったもようだ。原因を調べている。

 だいち3号は、地球観測衛星「だいち」の光学ミッションを引き継ぐ衛星。広域・高分解能センサーと赤外線センサー(防衛省開発)を搭載する。観測データを直接地上に伝送する直接伝送用Ka帯アンテナと、中継衛星経由で伝送する光衛星間通信機器による安定した大容量・高速衛星地上間通信も搭載する。内部には約1テラのメモリーを備えるなどしている。

(20日付電波新聞/電波新聞デジタルで掲載します)