2023.02.24 宇宙天気予報、ヘルスケアで連携 富士通と東海国立大学機構が包括協定

包括協定に調印した東海国立大学機構の松尾機構長(左)と富士通の堤氏=24日

 富士通と東海国立大学機構は24日、宇宙とヘルスケア分野の技術開発で連携する包括協定を締結した。宇宙分野では本格化する月や火星などでの人類活動の安全確保に向けた宇宙天気予報シミュレーションの研究などに共同で取り組む。また、東海圏をフィールドにデータを活用した健康・医療エコシステムの形成に向け協業する。

 東海国立大学機構は2020年4月に、岐阜大と名古屋大という二つの国立大学法人が県をまたいで統合。国内初の一法人複数大学制度による国立大学法人として設立された。

 今回の包括協定は、互いの技術やサービス、地域ネットワークを生かした活動を深化させ、テクノロジーとデータの連携により持続可能な社会の実現に貢献するのが狙い。

 宇宙活動では名古屋大宇宙地球環境研究所の世界トップクラスの宇宙天気予測モデルや衛星・地上観測データベースと、富士通のスーパーコンピューターによる大規模シミュレーション技術や人工知能(AI)によるデータ解析技術を組み合わせ、宇宙天気予報の高度化や人材育成に取り組む。富士通執行役員 SEVP、Japan リージョンCEOの堤浩幸氏は「本格化する月・火星・惑星間空間などでの人類活動で、解明されていない未知の課題に挑戦したい」と意気込んだ。

 ヘルスケア分野では、同機構の健康医療ライフデザイン統合研究教育拠点の研究実績や医療機関の連携力と、富士通の電子カルテシステムを活用して患者中心のエコシステムを形成。地域の健康課題の解決とサービスの高度化を目指す。東海国立大学機構の松尾清一機構長は「東海地域の大学・産業界・地域発展の好循環モデルにつなげたい」と力を込めた。

(電波新聞/電波新聞デジタルで後日詳報します)