2023.03.25 半導体「ムーアの法則」のゴードン・ムーア氏、94歳で死去 「テックで世界の生活向上」
2015年に、ムーアの法則50年の催しに登場した氏(インテルのサイトから)
「ムーアの法則」で知られるインテル共同創業者のゴードン・ムーア氏が24日、米ハワイ州の自宅で死去した。94歳だった。ムーア氏と妻ベティさんが設立した財団やインテルが発表した。死因は明らかにしていない。「家族に囲まれて安らかに亡くなった」としている。
ムーア氏は1968年、ロバート・ノイス氏とインテルを設立。CEOなどを歴任し、97~2006年は名誉会長を務めた。
半導体の集積度が2年ごとに倍増するという「ムーアの法則」を提唱した。慈善活動、特に環境保護や科学、医療関連にも尽力。財団を設立し、51億ドル以上を寄付してきた。
同社のパット・ゲルシンガーCEOはコメントを発表。「彼はトランジスターの力を明らかにすることに尽力し、何十年にもわたり、技術者や起業家に影響を与えてきた。私たちはムーアの法則に触発され続けている。ゴードンのビジョンは、テクノロジーの力で地球上すべての人の生活を向上させるという重要な指針として生き続けている」と追悼した。
ムーア氏が「ムーアの法則」として知られるようになる考え方を提唱したのは1965年。2008年に受けたインタビューでは「私がしようとしていたのは、チップにもっと多くのものを搭載し、すべての電子機器を安くするというメッセージを伝えることだった」と振り返った。
同氏はさまざまな賞も受けており、インテルは昨年、最新プロセス技術を研究するオレゴン州のキャンパスを、「ゴードン・ムーア・パーク」に改称すると発表。技術開発グループの本拠地であるビルも、「ムーアセンター」に改名されている。